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Jリーグ 2か月前

リスクが大きい!? 大学→海外に渡った日本の逸材(4)英国移籍も…。わずか1年後に退団へ

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

 今や日本人選手の海外移籍は珍しくなくなった。Jリーグでプレーすることなく、海へ渡る若者も増えてきている。では、その先駆け的存在になった選手たちは、その後どんなキャリアを歩んだのか。今回は、大学から海外クラブに加入した日本人選手をピックアップして紹介する。

GK:林彰洋(はやし・あきひろ)

ベガルタ仙台の林彰洋
【写真:Getty Images】

生年月日:1987年5月7日(38歳)
経歴:流通経済大学→プリマス・アーガイル(イングランド)
現所属:ベガルタ仙台
今季リーグ戦成績:23試合21失点

 林彰洋は、流通経済大学付属柏高等学校から流通経済大学に進学した。

 名門サッカー部での活躍もあってか、大学在学中にU-20サッカー日本代表に選出され、2007年のU-20FIFAワールドカップの正GKとして出場するなど、同世代のGKでは群を抜いた存在だった。

 2009年9月には、大学卒業を待たずにイングランド2部のプリマス・アーガイルと契約。Jリーグではなく、直接ヨーロッパに渡った選手として注目された。

 だが、出場機会に恵まれず、翌年7月に退団を余儀なくされる。

 欧州での道を諦めず、その後ベルギー1部のROCシャルルロワ=マルシェンヌに移籍。公式戦での出場は10試合に限られたが、練習環境やプレースピードの違いを体感したことで、自身のプレーレベルを見つめ直す貴重な経験となった。

 海外での経験を経た林は2012年12月に、清水エスパルスと契約。その後FC東京、サガン鳥栖と渡り歩き、どのクラブでも高い安定感を示した。

 特にFC東京では長年に渡って正守護神として活躍し、J1リーグ通算200試合以上に出場。試合中の声掛けや冷静な判断力、ハイボール処理の正確さが持ち味で、安定した守備の要として信頼を集めた。

 2023年からはJ2のベガルタ仙台に加入。ベテランらしい落ち着いたプレーと豊富な経験を若手に還元しながら、昇格を目指すチームに大きな安心感をもたらしている。

 異端のキャリアを持つ林の存在は、日本の大学出身者の海外挑戦の先駆けでもある。

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【了】

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