サッカー日本代表は10月10日にキリンチャレンジカップ2025(国際親善試合)でパラグアイ代表と対戦し、2-2で引き分けた。怪我の影響で9月のアメリカ遠征を見送られていた田中碧は、今年3月以来の代表復帰戦を「もう少しやれた」と反省を口にしている。
「一番チャンスになるなとは思った」田中碧がこだわった部分とは
【写真:田中伸弥】
「勝てなかった。もちろん最後引き分けになりましたけど、すごく悔しいかなっていうのはありますね」
田中は今季、リーズの一員として初挑戦のプレミアリーグに身を置きプレーしていたが、8月下旬に右膝を痛め、一時戦列を離れていた。怪我から復帰後は途中出場が続いているが、世界最高峰の舞台で鎬を削っているという自負が田中を奮い立たせていたのだろう。
田中と同じポジションのボランチでは主力の遠藤航や守田英正が不在とあって、田中にかかる期待は当然あった。その期待に応えたかっただけに勝利という結果を残せなかったことが先の言葉につながっているのかもしれない。
久しぶりの代表でのプレーについては「あれだけ中をしめてくる中で、自分が高い位置でボールを受けるのか、ブロックの外で4バックにしてやるのかっていうのが前半ちょっと曖昧だったなっていうのはあった。でも、奪ってからのショートカウンターや球際で上回って奪ってからというのが一番チャンスになるなとは思ったので、そこの際の部分はより意識はしてました」と前半からプレスがうまくはまらなかったことを受けて、改善を試みたと言い、こう続けた。
「ただ、じっくりとボール持ったときと守備で多少相手が人数を後ろに下げてきたときに自分たちが出なくちゃいけない部分もありながらも体力的にきつい部分もありました。でもそこはもう少しやれたかなと思います」
実際に先制点を奪われた後の小川航基の同点ゴールは、高い位置でボールを奪取してからのカウンター攻撃によるものだった。
「特に中盤の攻防だったり、セカンドボールで空中戦も含めて拾った後にいかにスピードアップできるかっていうのは最近ではすごく重要だし、そこで決めきれるか、フィニッシュまで行けるかっていうのはすごく大事だなっていうふうには感じますね」
田中はこの試合でプレミアリーグでも嫌というほど味わっている球際や寄せなど、強度の高さを意識して臨んでいた。その厳しさを象徴するかのように田中は相手に激しくぶつかっていった。
「正直、全部ファウル取られたんですけど、個人的には全然、いやあと思いながらやってた。奪われた後に奪い返せば逆にチャンスになるので、そこの攻防はより高いレベルに行くにあたってすごく大事です。崩して点(を取る)というのはあんまりないと思うので、個人的にはファウルになりましたけど、奪い切れればより良いかなと思いますね」
田中自身、「そういう瞬間(攻守の切り替え)でしかゴールは生まれない」と感じているからこそ、デュエルの部分はこだわっている。中3日で行われるブラジル代表戦ではさらに球際の部分を求めていかなくてはならないだろう。
(取材:加藤健一、文・構成:編集部)
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