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サッカー日本代表は「戦う姿勢を見せてくれた」。ブラジル代表戦勝利で森保一監督が見据える今後「同時に戦術や選手も試すのは難しいけども」

text by 編集部 photo by 田中伸弥

 サッカー日本代表は10月14日、東京スタジアム(味の素スタジアム)で行われた国際親善試合でブラジル代表と対戦し、3-2で歴史的な逆転勝利を飾った。森保一監督は試合後の会見で「チーム一丸となってタフに粘り強く戦い抜くことを選手がやってくれたことがきょうの結果につながった」とゲームを振り返った。

サッカー日本代表、森保一監督がブラジル代表戦を振り返る

サッカー日本代表、森保一監督

【写真:田中伸弥】

「選手たちが前半厳しい試合だったところを切れずに戦い続けてくれて、ハーフタイム戻ってきたときも皆が建設的に後半どう修正したらいいか、冷静にコミュニケーションをとってくれた。コーチ陣が選手たちに後半より明確な役割を与えてくれて、チームが集中力を切らさず、前半から修正して戦えたことがきょう試合をひっくり返せたことに繋がったと思う」

 試合の総評でこのように振り返った森保一監督。日本代表はブラジル代表とこれまで13度対戦し、11敗2分。圧倒的な強さを誇るブラジル代表を相手に初勝利をつかみとった。

「親善試合だといえ、ブラジルに勝つことはそんなに簡単なことではないと思います。選手たちが日々チームで自分を高めることをしっかりとやってくれて、代表活動の中でやるべきことを日々徹底してくれて、日本のために戦う姿勢を見せてくれたことと、これまでブラジルに勝ったことがない歴史の中でも勝つためにチャレンジしてくださった先人の方や先輩方がいたからこそ今の自分たちの結果に繋がったと思います」

 一方で、森保監督は「前半も実は後半のようにプレッシャーをかけたいということで、選手たちには入りはアグレッシブにいく、そこから試合が落ち着いたときには基本、前向きにブロックからプレスをかけて攻撃を仕掛けることは準備をしていましたが、私自身の伝え方が良くなかったところがあったことと、最初プレッシャーが中々よくかけられなかったところは自分自身の反省としてあります」と思い描いたようにできなかったことを課題に挙げた。

 親善試合とはいえ、ブラジル代表を相手に2点のリードを許しながら、後半に逆転して勝ったことは8か月後に迫ったFIFAワールドカップ2026(W杯)北中米大会に向けても自信となっていくはずだ。52分に南野拓実が相手のミスを見逃さずゴールを奪ってから、上田綺世が逆転ゴールを決めるまでわずか20分ほど。短い時間で逆転できる力はどこからくるのか。

「選手たちが劣勢の中切れないというか…」森保一監督が語る逆転できる力と今後の強化方針について

「選手たちの力があることが一番大きいかなと思います。選手たちが劣勢の中切れないというか、戦い続けるメンタリティを持っているところが非常に大きいかなと思います。あとは、コーチ陣が選手たちに与えてくれる戦術的な部分と個の役割が、選手が思いきってプレーするメンタリティを後押ししてくれているかなと思います」と選手自身の地力とそれを発揮させるスタッフの力によるところが大きいとした。

 今後の強化方針については、「チームを固めていくことはもちろんやっていかなければいけないところかなと思いますし、同時に戦術や経験の浅い選手も試していくところは難しいバランスですけども、両方ともやっていかなければいけない」と言い、冨安健洋や遠藤航、三笘薫などの主力を怪我で欠く中でのチーム固めの難しさもあるとしている。

「前の活動を選手が変わっても活かせるように振り返りをやって、皆で共有をして、そのときの活動に向けて選手たちにはコンセプトを共有してもらうところをやってきましたので、これからも1回1回そのときにやらなければいけない活動を積み上げていきたいと思います。常にそのときのベストでチーム編成をして、選手たちの成長具合と競争での序列が変わるところをしっかりと活動を見て、チーム編成していって、最後は最高最強のチーム作りをしたいなと思います」と今後の戦いを見据えていた。

(取材・文:竹中愛美)

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【了】

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