サッカー日本代表は14日、キリンチャレンジカップ2025でブラジル代表と対戦し、3-2の勝利を収めた。日本サッカー史を塗り替える歴史的な勝利の裏で、この10月シリーズにおいてアピールに失敗した選手も存在する。ワールドカップ本戦の招集を目指す中で、当落線上に立つ選手たちを紹介する。(情報は10月15日時点)[4/5ページ]
FW/MF:相馬勇紀(そうま・ゆうき)
【写真:Getty Images】
生年月日:1997年2月25日(28歳)
所属クラブ:FC町田ゼルビア
日本代表通算成績:19試合5ゴール8アシスト
10月シリーズ成績:2試合0ゴール0アシスト
相馬勇紀について、この10月シリーズにおける評価は非常に難しい。ここではさらなる期待を込めて、敢えて取り上げたい。
現在28歳の相馬は、パラグアイ代表戦、ブラジル代表戦と2試合連続で途中出場。合わせて約30分間プレーしている。
彼が高いクオリティを示したのが、守備面である。本来は攻撃的な選手だが、ウイングバックでのプレー経験も豊富であり、南米のチームに対しても適切な守備対応を見せていた。
特にそれが光ったのが、2戦目のブラジル代表戦だ。
左サイドで起用された相馬は、中央へのコースを切りながら、相手のサイドアタッカーに粘り強く対応。アグレッシブな守備でフリーの選手を作らせず、自身後方の鈴木淳之介と一緒に左サイドを封殺した。
データサイト『Sofa Score』によると、この試合の相馬のボールタッチはわずか6回。クロスやドリブルで違いを作る同選手にとっては苦しい数字となったが、クローザーとして誰よりも走り、厳しく対応していた。
守備では素晴らしいパフォーマンスだったと言えるだろう
ただ、日本代表の左ウイングバックのポジションは、そんな相馬でも生き残れるか怪しい「激戦区」である。
今回は中村敬斗、斉藤光毅がライバルとなったが、招集外メンバーには三笘薫、前田大然(途中離脱)らがいる。彼らと勝負していくためには攻撃的な選手として分かりやすい結果を残すことも重要だ。
ブラジル代表戦で、相馬はシュートも放ったが、全体的にドリブルでの仕掛けが少なかった。
しっかりと前にボールを運んではいたものの、時間帯もあってか相馬の強みであるドリブルでの仕掛けはあまり見られず。厳しい言い方をすると、熾烈なサバイバルを生き残るためのインパクトには欠けていた。
それでも、この10月シリーズでは、試合終盤からの投入でも、クロス・ドリブル・シュートと多様な選択肢を作り出せる攻撃力に加え、守備面での貢献も示すことができた。
この強みをさらに伸ばし、ライバルたちに差をつけることができるだろうか。