サッカー日本代表は14日、キリンチャレンジカップ2025でブラジル代表と対戦し、3-2の勝利を収めた。日本サッカー史を塗り替える歴史的な勝利の裏で、この10月シリーズにおいてアピールに失敗した選手も存在する。ワールドカップ本戦の招集を目指す中で、当落線上に立つ選手たちを紹介する。(情報は10月15日時点)[5/5ページ]
DF:望月ヘンリー海輝(もちづき・へんりー・ひろき)
【写真:Getty Images】
生年月日:2001年9月20日(24歳)
所属クラブ:FC町田ゼルビア
日本代表通算成績:5試合1ゴール0アシスト
10月シリーズ成績:1試合0ゴール0アシスト
この代表シリーズで、望月ヘンリー海輝はまだまだ「荒削り」な部分が目立ってしまった。
望月は9月シリーズに引き続き、連続での代表招集。今回の10月シリーズでは、14日に行われたブラジル代表戦で約12分間プレーした。
もっとも、第1戦のパラグアイ代表戦でも、望月には出場機会が与えられる可能性があった。
森保一監督はパラグアイ代表戦の85分すぎに望月を呼び、タッチライン際で準備をさせていた。1-2とビハインドの場面だ。
その時点で、監督は望月を投入しようと思っていたはずだが、足をつった佐野海舟の状態を鑑みて、交代カードは前線と中盤に使われることに。結局、サイドが主戦場の望月はピッチに立つことが叶わなかった。
そんな望月には、第2戦目のブラジル代表戦で再びチャンスが訪れる。
3-2と大逆転に成功していた日本は、85分に堂安律に代えて望月を投入。指揮官の狙いは、明らかに望月をクローザーとしてリードを保ったまま試合を終えることだった。
しかし、同選手は期待された役割に対して、十分なパフォーマンスを披露できなかった。
攻撃では、波状攻撃のなかでミドルシュートを打つなど、一定の活躍を見せていた。
その一方で、守備はあまりにも不安定で、課題を露呈している。
ブラジルにサイドの突破を許すなど、守備対応の甘さ、ポジショニングのミスが目立った。簡単に裏を取られてしまっており、守りを固めたい場面で投入すべき選手だったとは言い難い。
交代した堂安は守備的な選手ではないが、その走力を生かして果敢にプレスを仕掛け、右サイドのディフェンスに高い貢献を見せていた。
そういう意味でも、今回の望月の守備強度は「代表レベル」ではなく、失望したと言わざるを得ない。
ただ、ブラジルは試合終盤にロングボールを多用したパワープレー戦術を取らなかったが、他の強豪国は高さを生かした攻撃を仕掛けてくる。
そういう場面で、望月の高さ、フィジカルは大きな武器になるだろう。自らの長所を最大限発揮するためにも、今回露呈した課題を乗り越えなければならない。
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