サッカー日本代表にとって、10月シリーズは実りの多い2連戦となった。パラグアイ代表戦は試合終了間際の同点弾で劇的ドロー。ブラジル代表戦では“王国”相手に史上初の白星を挙げた。2試合とも熾烈な内容となったが、森保ジャパンのこれまでを振り返ると、盛り上がりに欠けたまま終戦となった試合も存在する。王国撃破の余韻が残るなか、あえて今回は森保ジャパンの歴代“塩試合”5選を紹介する。※データは『Transfermarkt』を参照。[3/5ページ]
日本代表 0-1 オマーン代表

オマーン代表戦、スタメン&フォーメーション
開催日:2021年9月2日(19:10キックオフ)
概要:FIFAワールドカップカタール2022 アジア最終予選 第1節
サッカー日本代表は、アジアの戦いの難しさを幾度となく体感してきた。
FIFAワールドカップ(W杯)アジア最終予選は、そういった困難の代表例だ。
カタールW杯への出場権獲得を目指すオマーン代表戦も、まさに“アジアの沼”にはまってしまった試合の1つ。
森保ジャパンは本拠地『パナソニック スタジアム 吹田』でファンが思わずうなだれるような“塩試合”を演じてしまった。
2次予選を全勝で終えた森保ジャパンを待ち受けていたのは、最終予選に潜む魔物だった。
ヨーロッパで約1か月の合宿を行ったオマーン代表は、前半からしたたかな戦いぶりを披露。大迫勇也や伊東純也、原口元気らで形成された日本攻撃陣を封殺した。
前半をスコアレスで終えた森保ジャパンは、後半に入るとゴールを求めてより前がかりになっていく。
だが、得点の気配がそれほどしないまま時間が経過していくと、試合終了間際の88分には一瞬の隙を突かれて先制点を献上する。
そのまま0-1で敗れ、前回の最終予選と同じく黒星発進となった。
この試合は、攻め抜いた末の敗戦というよりも、どこか歯車がかみ合わないまま寄り切られてしまった印象を見る者に残した。
ボール保持率は61%を記録したが、試合を支配したわけではなく「持たされた」感もあったなかでの数字である。
総シュート本数も相手の方が多かった。
第3節のサウジアラビア代表戦も落としてW杯行きに警告ランプが灯った森保ジャパンだったが、以降は軌道修正に成功する。
最終的にはカタール行きの切符を掴み取り、本大会でドイツ代表とスペイン代表を撃破する“ドーハの歓喜”につなげていった。