サッカー日本代表にとって、10月シリーズは実りの多い2連戦となった。パラグアイ代表戦は試合終了間際の同点弾で劇的ドロー。ブラジル代表戦では“王国”相手に史上初の白星を挙げた。2試合とも熾烈な内容となったが、森保ジャパンのこれまでを振り返ると、盛り上がりに欠けたまま終戦となった試合も存在する。王国撃破の余韻が残るなか、あえて今回は森保ジャパンの歴代“塩試合”5選を紹介する。※データは『Transfermarkt』を参照。[5/5ページ]
日本代表 0-0 トリニダード・トバゴ代表

トリニダード・トバゴ代表戦、スタメン&フォーメーション
開催日:2019年6月5日(19:30キックオフ)
概要:キリンチャレンジカップ2019
新たな挑戦に乗り出す時、物事がうまく運ばないのは世の常である。
森保ジャパンが本拠地『豊田スタジアム』でトリニダード・トバゴ代表とスコアレスドローを演じた一戦はたしかに“塩試合”と形容するのに相応しい内容だった。
だが、この試合は現在のチームの代名詞でもある3バックを森保一監督体制で初めて採用した一戦でもあるのだ。
森保監督は、2018年9月の始動以来常にオプションの1つとして温めてきた3バックシステムを試す場としてキリンチャレンジカップを選んだ。
試合が始まると、短期間で仕込んだ新システムに選手たちが若干の戸惑いを見せる場面もあり、前半はスコアレスで終了する。
後半はボール回しがより円滑になったものの、それでもゴールが遠い。
森保監督は60分過ぎから伊東純也や南野拓実、原口元気らを次々と投入して状況の打開をはかったが、相手ゴールキーパーの好守もあって最後まで得点は生まれず。
結局0-0でタイムアップの笛が鳴った。
試合後、森保監督は「シュート25本で得点できなかったのは残念ですし、決め切る課題はありますが、選手がトライしてくれながら難しい中でゴールに向かったことは次につながります」(JFA公式サイトより)とコメント。
柴崎岳も「これから成長の余地があるテストだったのではないか」と語るなど、現場は無得点試合の中にも光明を見出していたことがうかがえる。
新システムへの果敢な挑戦があったからこそ、FIFAワールドカップカタール2022における森保ジャパンの大躍進が実現した事実は見逃してはならない。
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