サッカー日本代表は3月、2026年ワールドカップ(W杯)北中米大会出場を世界最速で手中に収めた。全てのサッカー選手にとって「夢の舞台」であるW杯だが、クラブレベルで素晴らしい成績を残している選手でも、そこに到達するのは至難の業だ。そこで今回は、かつて日本代表で活躍した選手のうち、W杯本大会の出場経験がない実力者を紹介する。[3/5ページ]
MF:鈴木啓太(すずき・けいた)
生年月日:1981年7月8日
日本代表成績:28試合
日本の「心臓」と呼ばれた男は、そのキャリアで一度もワールドカップ(W杯)のピッチに立つことがなかった。
鈴木啓太がA代表デビューを果たしたのは2006年。U-23代表の主将としてチームをけん引したものの、アテネ五輪では落選を経験した。
その悔しさを糧に、ドイツ大会後に就任したイビチャ・オシム監督の初陣で初出場を果たした。
以降、オシム政権下の全試合に出場し、オシムジャパンの屋台骨として、名将の信頼を確かなものにしていく。
浦和レッズでも2006年から2年連続でJリーグベストイレブンに選出され、2007年にはクラブ史上初のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)制覇を経験。まさにキャリアの頂点を迎えていた。
だが、その2007年に陰りが見え始める。
オシム監督が病に倒れ、後任として岡田武史監督が就任。新体制でも鈴木は重要な存在と見られていたが、度重なる扁桃炎やケガに苦しみ、コンディションを崩してしまう。
クラブと代表を行き来する過密日程の中で、積み重なった疲労が限界に達していたのかもしれない。
2009年から浦和の主将を務めるも、代表では遠藤保仁と長谷部誠が不動のボランチとして君臨し、鈴木に出番は訪れなかった。
2008年5月のパラグアイ戦が最後の代表出場となり、W杯の舞台には立っていない。
