欧州サッカーはシーズン序盤戦を終え、夏の補強に対する評価が固まりつつある。フランクフルトの堂安律のように、スタートダッシュに成功して称賛される選手がいる一方で、本来の能力を見せることができていないタレントも多くいる。今回は、今年夏に移籍した欧州で戦う日本人の中で、不調にあえぐ選手を紹介する。※出場記録などは10月24日時点の『transfermarkt』を参照。[1/5ページ]
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MF:鈴木唯人(すずき・ゆいと)
生年月日:2001年10月25日
所属クラブ:フライブルク(ドイツ)
25/26リーグ戦成績:3試合0ゴール0アシスト
鈴木唯人のブンデスリーガ挑戦は、想像よりも困難なスタートになった。
2023年夏に清水エスパルスからデンマークのブレンビーIFに移籍した鈴木は、欧州1年目から躍動した。
2024/25シーズンにはリーグ戦32試合で12ゴール6アシストを記録し、攻撃の核として圧倒的な存在感を見せた。
その活躍が評価され、今夏には移籍金1000万ユーロ(約17億円)でドイツ1部へのステップアップを果たした。
しかし、欧州5大リーグ初挑戦は思ったようなスタートにならず、開幕から2試合連続で先発出場したものの、決定機でのミスや軽率なボールロストが目立ち、その後の公式戦4試合では出場機会がなかった。
それでも、徐々に適応しつつある。
10月19日のフランクフルト戦で5試合ぶりに途中出場を果たすと、23日のUEFAヨーロッパリーグ(EL)・ユトレヒト戦では約2カ月ぶりに先発し、移籍後初ゴールを記録した。
この試合で鈴木は、チーム最多となる枠内シュート3本、さらにドリブル成功3回もマークし、持ち味を発揮し始めていると言える。
リーグ戦でのデュエル勝率は24%と依然として低く、ブンデスリーガ特有の激しさにまだ苦戦している印象は否めないが、ユトレヒト戦でのパフォーマンスは確かなアピールとなったはずだ(データは『Sofa Score』参照)。
ELとの兼ね合いでフライブルクは過密日程が続くため、鈴木にとってチャンスは今後も巡ってくるはず。
ユトレヒト戦のように、その機会を生かし続けることが重要だ。
