サッカー日本代表は11月、ガーナ代表、ボリビア代表との国際親善試合が控えている。各ポジションで負傷者が続出しているため、この11月シリーズはこれまで代表招集が無かった選手にとって絶好のアピールチャンスだ。そこで今回は、10月シリーズで招集外だったものの、11月シリーズで招集が期待される選手を紹介する。[2/5ページ]
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FW/MF:伊藤達哉(いとう・たつや)
生年月日:1997年6月26日
所属クラブ:川崎フロンターレ
今季リーグ戦成績:33試合12ゴール3アシスト
現在のシステムに適正ポジションが無いという理由で、伊藤達哉を日本代表に招集しないのは間違った判断だと言わざるを得ない。
川崎フロンターレの背番号17は、今季の明治安田J1リーグで最も勢いのあるアタッカーの一人である。
現在28歳の伊藤は、Jリーグを経由せずに海外でプロデビューを果たした珍しいタイプだ。
柏レイソルの下部組織で育ち、日本体育大学柏高等学校(早期卒業)を経て、2015年にハンブルガーSV(ドイツ)に加入。ここでブンデスリーガの舞台を経験し、2019年にシント=トロイデン(ベルギー)に完全移籍した。
しかし、ベルギーでは定位置を確保することができず、東京オリンピック(東京五輪)のメンバーからも落選。その後、マクデブルク(ドイツ)を経て、今年1月に川崎フロンターレにプレー拠点を移した。
新天地では第2節の柏レイソル戦でデビューを果たし、27歳にしてJリーグ初出場を経験した。
同選手は川崎で圧倒的な実力を発揮し、初めてのJリーグでその存在感を如何なく示している。
前半戦では16試合で2ゴールだったが、後半戦で爆発。17試合で10ゴールを記録し、チームの攻撃を牽引している。
第35節終了時点の得点ランキングでは、ウインガーながら日本人トップ(12ゴール)に立つ。
伊藤がボールを持った時の期待感はリーグ随一であり、その高い決定力とドリブルでの打開力は、日本代表の攻撃における新たな選択肢となるかもしれない。
ただ、森保一監督は現状[3-4-2-1]を採用しており、伊藤が主戦場とするウイングのポジションは無い。ウイングバック起用となると守備への貢献も求められるため、伊藤の魅力は半減してしまうだろう。
招集にあたっては、森保ジャパンが9月に挑戦した[4-2-3-1]を採用するなど戦術的に柔軟な対応が求められるが、是非とも代表でのプレーを見てみたいタレントだ。
