サッカー日本代表は14日、国際親善試合でガーナ代表と対戦し、2-0で勝利している。この試合では、MF田中碧がフランシス・アブを負傷退場へと追い込んでしまった。しかし、田中を責めることはできない。相手の足の出し方は、かなり危険だった。
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なぜ田中碧のファウルが大怪我につながった
そのシーンは51分に起きた。
田中がボックス手前までボールを運び、シュートモーションに入った瞬間、アブと交錯し、お互いがピッチに倒れこんだ。最初はガーナのファウルかと思ったが、主審は日本のファウルという判定を下している。
ガーナ人MFはその場から起き上がれず、担架で運ばれピッチを後に。アリドゥ・セイドゥとの交代を余儀なくされている。
アブの状態が深刻だと分かったのは、彼がピッチに倒れた直後だ。南野が担架を求めるジェスチャーを送り、GKローレンス・アティ・ジギは頭を抱えていた。
ベンチでは、選手が「足首が曲がった」というようなジェスチャーを見せており、それを見ていたオットー・アッド監督が「嘘だろ…」と言わんばかりの表情を浮かべていた。
映像をスローで振り返ると、田中に蹴り上げられたアブの足首は、本来曲がってはいけない方向に曲がっていた。詳細は今後明らかになるはずだが、長期離脱は避けられないだろう。
結果論にはなってしまうが、アブの足の出し方は危険だった。
田中の背後から無理やり足を伸ばしたが、ボールにはまったく届いておらず、日本代表MFが振り切った足の先に、足を置いてしまった。
その結果、伸ばした足が地面に着いた瞬間、蹴られてしまった。この時、軸足を地面に置いていないため、重心はすべて伸ばした右足に乗っている。こうなると、力の逃げ場がなく、鍛えられた田中の足に蹴られたアブの右足は、いとも簡単に折れ曲がってしまった。
田中にとっても不運だ。シュートモーションに入った状態で、背後から無理やり足を伸ばされては、防ぎようがない。おそらく、蹴った瞬間に、相手の足が出ていたことに気づいたはずだ。
とにかく、上記の件は両者にとって不運だった。アブの早期の回復を願うばかりだ。
(文:小澤祐作)
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