サッカー日本代表は18日、国際親善試合でボリビア代表と対戦し、3-0の快勝を収めた。この試合で目を見張るパフォーマンスを見せたのが、FW上田綺世だ。
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上田綺世は「えぐいっす」
明らかに流れが変わった。上田がピッチに投入されるまで、日本代表はなかなか相手を崩せず、1-0のまま時間を進めていたが、背番号18が入ると、それまでが嘘かのように攻撃が活性化。結局、2点を追加し、終わってみれば3-0という大差がついている。
ファーストプレーで格の違いを見せた。身体を張ったポストプレーでつなぐと、その流れから生まれた堂安律のクロスに思い切りよく飛び込み、ヘディングで合わせた。ゴールとはならなかったが、ボリビア守備陣に緊張を与える意味では十分なものだった。
78分にはアシストを記録。縦パスに反応し、うまくボディフェイクをいれて相手を置き去りに。最後はボックス内にいた中村敬斗へのラストパスで、ゴールの瞬間をもたらした。
シュートセンス、オフザボールの質、パワー、ポストプレーの技術…これら全てが高いレベルで備わっているFWは、いま日本で上田だけだろう。小川航基、町野修斗も素晴らしい選手だが、上田はもはや別の次元にいるといっても過言ではない。
上田が頂点にいると、チームの得点力も必然と高くなる。彼が相手を背負いながらボールを収められることで、後ろの選手は常に前向きでのプレーが可能になるからだ。
なんてことないルーズボールすらチャンスにつなげられる上田がいることにより、攻撃の幅が広がるというのは、味方も認めている。ボリビア戦後に取材に応じた中村は、上田の強さについて「えぐいっすね、正直」とし、こう続けた。
「(上田がいる、いないで攻撃のオプションは)全然違います。自チームでもあんなのないし。強すぎる。本当に強すぎる」
「全然違う」という言葉に尽きるだろう。この日はWBではなく、シャドーで出場し、上田の近くでプレーした中村のコメントだからこそ、説得力がある。
「近くに上田選手がいて、収めてもらえたのは大きかったし、時間も作ってくれたので、入ってすぐに前向きなプレーができてよかった」
中村はこうも話していた。
収めてくれることで前向きなプレーができる。中村だけでなく、南野拓実や久保建英らも同じことを感じているはずだ。シャドーにとって、これ以上の環境はない。
ちなみに今年、日本代表が無得点に終わった試合は4つある。そのうちの3試合は、上田が不在だった。これが偶然だとは思えない。
FIFAワールドカップ(W杯)まで残り1年を切り、サバイバルは激化している。強烈な争いを繰り広げているポジションも多いが、CFについては、1番手は不動だろう。上田は完成されすぎている。
ただそれは、上田不在時の不安が大きいことを示しているのと同じだ。2025年内の活動は終わってしまったが、小川と町野にはその懸念を払しょくしてもらう必要がある。
(取材・文:小澤祐作)
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