サッカー日本代表は18日、キリンチャレンジカップ2025(国際親善試合)でボリビア代表と対戦し、3-0で快勝。年内最終戦を白星で締めくくった。今回の2連戦では、多くのセンターバックが存在感を示し、ワールドカップ(W杯)本大会へ向けた争いは一段と激しさを増している。森保一監督は最終的に誰を選ぶのか、注目が集まる。
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森保一監督を悩ませるセンターバックの人選

【写真:田中伸弥】
年内最後の代表活動が終わり、ワールドカップ(W杯)本大会へ向けたチーム構成は徐々に形を成しつつある。
一方で、今回の2連戦を通じて森保一監督を悩ませる嬉しい誤算も生まれた。計算できるセンターバック(CB)が一気に増えたことだ。
14日のガーナ代表戦で左CBとして先発した鈴木淳之介は、屈強な相手にも引けを取らない対人の強さに加え、ビルドアップでも存在感を発揮。さらに左ウイングバックとしても高評価を得ており、複数ポジションに対応できる点でもチームにとって大きな戦力となっている。
同じく、右CBでスタメンに名を連ねた渡辺剛も、9月のアメリカ遠征、さらに10月のパラグアイ代表戦・ブラジル代表戦で見せた対人の強さと安定感を今回も披露。代表メンバー入りを大きく手繰り寄せるアピールに成功した。
そして、今回の2連戦で3バックの中央でフル出場した谷口彰悟は、落ち着いた対応で相手エースを封じ込めるなど、貫禄のパフォーマンスを披露した。昨年11月にアキレス腱断裂という大怪我を負った選手とは思えない力強いプレーで、完全復活を強く印象づけている。
さらに、ボリビア代表戦で左CBとして先発した瀬古歩夢も、自身の評価を大きく押し上げた。攻撃の起点となる鋭い縦パスを次々と差し込み、78分に生まれた3点目の起点となるなど持ち味を発揮。左右どちらの足からも正確なキックを供給しつつ、守備でも相手攻撃陣を封じ込め、完封勝利に大きく貢献した。
現在、最終ラインには負傷者が相次いでいるものの、復帰が近づいている選手も増えてきた。
中足骨骨折で離脱していた伊藤洋輝は、所属するバイエルンの全体練習に合流しフルメニューを消化したと報じられている。また、今季トッテナムに加入した高井幸大も、プレシーズンで足底腱膜を負傷していたものの、トーマス・フランク監督が間もなくのトレーニング再開を示唆しており、復帰は目前とみられている。
その一方で、今季ホッフェンハイムに移籍しながら開幕戦で左ひざ前十字靭帯を断裂した町田浩樹は、依然として復帰時期が不透明な状況だ。
さらに、右ひざの怪我によるコンディション不良の影響で今夏アーセナルを退団し、現在無所属となっている冨安健洋について、森保一監督はボリビア代表戦前日の会見で「彼のパフォーマンスが確認できれば、メンバーとして考えていきたい」と言及。選考リストに入っていることを明言した。
もちろん、本大会では相手や状況によって柔軟な戦いが求められるとはいえ、3バック主体で臨む構図は揺るがないだろう。そのうえで、鈴木、渡辺、谷口、瀬古、伊藤、高井、町田、冨安に加え、今回怪我から復帰した板倉滉も控えている。
計9名の中から、最終的に選ばれるのは最大6名程度だと予想される。選出候補全員が怪我から復帰すると仮定すれば、右CBに板倉と冨安、中央に谷口と渡辺、左CBに鈴木と町田といった選考が現実的かもしれない。
しかし、W杯までにはまだ約半年の猶予がある。所属クラブで結果を残し、今後の代表戦でアピールすれば、誰にでもチャンスは残されている。
ほんの数ヶ月前には「最終ラインは怪我人続出でピンチ」と言われていたことを思えば、今の悩みは“嬉しい誤算”だ。果たして本番で最終ラインを任されるのは誰なのか。熾烈な競争から今後も目が離せない。
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【了】