サッカー日本代表は11月シリーズでガーナ代表、ボリビア代表と対戦。それぞれ2-0、3-0と快勝を収め、来年に迫るFIFAワールドカップ(W杯)に向けてまた一歩前進した。そんな11月シリーズで、株を上げた選手はいるのだろうか。今回は11月の2試合で評価を高めた選手を紹介する。[4/5ページ]
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FW:前田大然(まえだ・だいぜん)
生年月日:1997年10月20日(28歳)
日本代表通算成績:26試合4ゴール0アシスト
11月シリーズ成績:1試合0ゴール0アシスト
前田大然が左ウイングバックで存在感を放った。この事実は、今後の日本代表におけるポジション争いに新たな風を吹かせるかもしれない。
この11月シリーズで、前田はボリビア代表戦に先発出場。持ち前のスピードと献身性を武器に、82分間攻守両面でチームに貢献し続けた。
28歳のアタッカーは、本職とは異なるポジションでも自分の価値を示すことに成功している。
攻撃面では、瀬古歩夢や南野拓実の背後を狙うパスに的確に反応し、攻撃に変化をもたらした。
これまではウイングバック起用時にスピードを活かす機会が減り、窮屈なプレーが見られたが、この試合では味方との連係がその課題を補った。
背後へのパスを引き出すことで、スピードを活かしたアクションが増え、ボール保持時の選択肢も広がった点は大きい。
守備面でも、前田の真価が発揮された。走力を活かした果敢なプレッシングで相手に自由を与えず、その守備範囲は攻撃的な選手とは思えないほど広い。
数字には残りにくい泥臭い働きが、チームに確かな安定感をもたらしていた。
左ウイングバックは、日本代表の中でも競争が最も激しいポジションの一つだ。三笘薫や中村敬斗といった強力なライバルを上回る必要があるため、先発の座を掴むのは容易ではない。
それでも、今回のボリビア戦は、前田にとって熾烈なサバイバルを生き抜くうえで確かなアピールになったはずだ。
