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「強い柏レイソルを取り戻すためには」。古賀太陽が自身に抱く期待と新たな決意。「自信にしていいシーズン」「まだまだ伸びしろがある」

text by 竹中愛美 photo by 松岡健三郎
柏レイソル 古賀太陽

【写真:松岡健三郎】



 柏レイソルは12月6日、明治安田J1リーグ第38節でFC町田ゼルビアと対戦し、1-0で勝利した。最終節まで鹿島アントラーズと優勝を争ったが、鹿島も勝利したため、わずか勝ち点1差で逆転優勝とはならなかった。チームの大黒柱として走り抜けた古賀太陽は悔しさの中にも充実感が滲んでいるようだった。
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「こうすればよかったみたいなものは尽きないんですけど」。古賀太陽が今季得たものとは

「シーズン前半戦は本当にこういう相手に取りこぼしたりだとか、勝ち点1も拾えずに終わってしまうみたいな試合があったと思う。そういう意味では今シーズン通して成長できたところはきょう示せたと思いますし、来シーズンにつながる90分になった気がする。

 もちろん悔しさだったり、もう少しこうすればよかったみたいなものは尽きないんですけど、それよりもそれ以上に得たものは大きいと思うので、自信にしていいシーズンなのかなと思います。来年1番上にいるためにもこの経験はしっかり活かしたいと思います」

 多くの報道陣に囲まれた古賀は、2位という現実に悔しさを滲ませつつも、それすらも受け止め、来季へ決意を新たにしているようだった。

 自身は目標としていたリーグ戦全38試合にフルタイム出場を果たし、リカルド・ロドリゲス監督が標榜する攻撃的サッカーを守備面で支えた。



「純粋にフルタイムはずっと目標としてきたものではあったので、今年達成できるとは思っていなかったですけど、素直に達成できて嬉しいのと、本当に使い続けてくれたことに尽きると思います。今シーズンの僕のパフォーマンスに関しても本当にみんなの力があってこそだと思うので、監督やチームメイトに感謝しかないなと思います」

 2011年以来、14年ぶりの優勝には届かなかったが、リーグ最少の5敗という数字は昨季残留争いを演じていた柏からすると、大きな変化であることは間違いないだろう。

 連敗は1度もなかった一方で、上位の鹿島アントラーズや町田、ヴィッセル神戸など直接対決を制することができなかった。

「もう1回強いレイソルを取り戻すためのきっかけになるような年にはできた」

「本当に負けが続くことはなかったですし、負けから得たものをしっかり次に活かせるようなチームだったとは思うので、それが5敗というところに表れていると思います。大事な試合で落としたり、勝負弱いみたいなことを言われるチームだったかもしれないですけど、連敗しなかったり、しっかり修正して次に行けるところは勝負強さを示せた部分だとは思う」

 ロドリゲス監督体制1年目での上位進出は、来季へ新たなスタートを切ったとも言えるのではないだろうか。 

「強いレイソルを取り戻すためにはタイトルというものが必要だと思っていますし、そこを逃したところは悔しさが残りますけど、ピッチで表現してきたものに間違いはないと思っている。

 見ている皆さんの反応を見ても美しいサッカーをしてくれているというのは言ってくれていましたし、もう1回強いレイソルを取り戻すためのきっかけになるような年にはできたのかなとは思っています」



 そのためにも来季は自身のさらなるスケールアップが必要となる。

「本当にいろんな面で成長できたとは思っていますけど、個人的なところで言うと、A代表を目指したときにもっとわかりやすく強いものを表現したりというところはまだまだ自分の課題だと思っているので、どんな相手に対しても負けないというところはまだまだ伸びしろがあると思っています。

 あとはチームのスタイルもありますけど、直接ゴールに関わるとか、そういうものは自分に足りないものだと思っているので、より成長していけるようにやっていきたいなと思います」

 逆転優勝はならなかったが、古賀がこの1年で手にした経験は大きな自信となっているに違いない。

(取材・文:竹中愛美)

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【了】
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