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コラム 3日前

アーセナルはなぜ、アストン・ヴィラが大の苦手なのか。勝ちを逃した試合の共通点、アルテタよりエメリが優れているものは【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

ミケル・アルテタ監督とウナイ・エメリ監督
アーセナルを率いるミケル・アルテタ監督(左)とアストン・ヴィラを率いるウナイ・エメリ監督(右)【写真:Getty Images】



 現地時間12月6日にプレミアリーグ第15節が行われ、アストン・ヴィラが公式戦18試合で無敗のアーセナルに2-1で勝利を飾った。ウナイ・エメリが監督に就任して以降ホームチームはミケル・アルテタ監督のチームを得意としている。これは決して偶然ではない。両監督の経験値の差に基づく、ある“傾向”が試合結果に直結しているのだ。(文:安洋一郎)[1/2ページ]
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アストン・ヴィラがアーセナルに劇的な勝利

 悲願のプレミアリーグ制覇を目指すアーセナルの連続無敗記録が「18」で止まった。

 彼らの記録を止めたのが、9月末から大きく調子を上げているアストン・ヴィラである。

 現地時間12月6日に行われた試合で、ラストプレーの90+5分に混戦からエミリアーノ・ブエンディアが押し込んでウナイ・エメリのチームが2-1の勝利で飾った。



 アーセナル側の敗因はさまざま考えられるだろう。

 DFガブリエウ・マガリャンイスとDFウィリアン・サリバのレギュラーCB不在や過密日程など、彼らがベストの状態で戦うことができなかったのは事実だ。

 しかし、筆者は最大の要因がエメリとミケル・アルテタの経験値の差にあると考えている。

 というのも、両監督の対決における結果には、ある“傾向”があるのだ。

勝った試合と勝てなかった試合の共通点

 エメリがアストン・ヴィラの監督に就任して以降の両クラブの対戦成績を見ると、3勝1分2敗でバーミンガムに本拠地を構えるチームが勝ち越している。

 アーセナルが勝利した2試合に共通しているのが、いずれも中1週間で行われた試合であること。

 一方でアストン・ヴィラが勝利、もしくは引き分けに終わった試合は、いずれも中2日から中4日の過密日程で行われている。



 試合と試合の間隔が1週間も開けば、選手たちはリフレッシュしたコンディションでゲームに臨める。

 一方で過密日程における試合は選手の疲労が蓄積している可能性が高く、中1週間と比較すると時間がないことから試合に向けての準備の難易度も上がる。

 この結果こそ、エメリとアルテタの経験値の差が表れていると言って良いだろう。

欧州カップ戦だけではないエメリの強み

 一般的にエメリは「欧州カップ戦に強い」監督というイメージを持たれている。

 セビージャ時代にUEFAヨーロッパリーグ(EL)3連覇、ビジャレアル時代にEL優勝とUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ベスト4など、目に見える結果を残した。

 エメリが欧州カップ戦を得意としているのは事実。しかし、彼はその枠だけに収めることができない優れた指導者なのだ。



 やや意外と思われるかもしれないが、エメリはリーグ戦でも安定した結果を残し続けている。

 監督キャリアにおいて、途中就任を除いた場合のリーグ戦の最低順位はアルメリア昇格1年目の8位。バレンシア時代から現在にかけて、18シーズン連続で欧州カップ戦に出場している。

 なぜリーグ戦とカップ戦を並行しながら戦う中でも結果を残せるのか。これはエメリが“過密日程の戦い方を熟知している”からにほかならない。

 彼が過密日程に強い理由は、中2日から中4日で行われた試合では無敗の対アーセナル戦の戦い方で見えてくる。

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