
今冬に移籍する可能性があるサッカー日本代表選手【写真:Getty Images】
FIFAワールドカップ2026(W杯)開幕まで半年となった。サッカー日本代表の選手たちは本番に向け、ここから各所属クラブで状態を仕上げていくはずだが、なかにはリスクを承知で、今冬にチームを変える選手もいるだろう。出場機会確保、ステップアップ…理由は様々考えられる。今回は、W杯半年前に移籍を決断するかもしれない日本代表選手を紹介する。※成績は10日時点の『transfermarkt』を参照[5/5ページ]
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MF:遠藤航(えんどう・わたる)

リバプールに所属する遠藤航【写真:Getty Images】
生年月日:1993年2月9日
所属クラブ:リバプール
25/26リーグ戦成績:5試合0ゴール1アシスト
今、サッカー日本代表のキャプテンがピンチだ。
遠藤航は、2019年に加入したシュトゥットガルトでキャプテンとして、チームのブンデスリーガ残留に貢献するなど、ドイツで圧巻のパフォーマンスを見せていた。
とくに、守備の強度は欧州トップクラスの舞台でもずば抜けたものがあり、ブンデスリーガでは2季連続でデュエル勝利数最多を記録。「デュエル王」という異名は、いまやすっかり定着した。
日本中を驚かせたのは2023年のこと。世界を代表するビッグクラブの一つ、リバプールから衝撃の移籍オファーを受けることとなる。
当時の同クラブは、中盤の主力が相次いで退団し、経験豊富なMFの補強が急務だった。
移籍当初は出場機会が少なかった遠藤だったが、2023年12月のフラム戦でのリーグ戦初ゴールを機にアンカーのポジションに定着。カラバオカップのタイトルも獲得するなど、公式戦43試合に出場する充実の23/24シーズンを送っている。
しかし、遠藤を獲得したユルゲン・クロップ監督が勇退し、新たにアルネ・スロットが指揮官となると、状況は一変。
スロットは守備的MFに足元の技術を求め、ライアン・フラーフェンベルフにスタメンの座を譲ることとなった。
このオランダ人MFの抜擢はチームにとって大きなプラスとなり、昨季は他を寄せ付けない強さでリーグ優勝を達成。
一方ベンチへ追いやられた遠藤は、試合終了間際にリードを守るため投入される「クローザー」としての地位を確立したものの、リーグ戦20試合で出場時間わずか300分とプレータイムが大幅激減している。
在籍3年目となった今季も、チーム内の序列は変わらず。
むしろ、出番はさらに減ってきており、現時点でリーグ戦では5試合のみの出場に留まっている。
リバプールは守備の崩壊に苦しんでいるが、それでもなお起用されないとなると、このチームで安定した出番を与えられることは不可能に近いといえる。
ここで心配になるのが遠藤の日本代表でのパフォーマンスだ。
試合に出られなければ、当然試合勘も鈍る。先月のボリビア代表戦では、らしくない雑な守備も目立った。
日本の中盤には鎌田大地、佐野海舟、田中碧と5大リーグでスタメンに名を連ねる選手がひしめき、代表の中でもっともスタメン争いが熾烈なポジションだ。
このままベンチを温める日々が続けば、遠藤はW杯本番でベンチを温めることになるかもしれない。冬の移籍は重要なように思えるが、果たして。
【著者プロフィール:編集部】
国内外のサッカーを専門に取材・執筆・企画する編集チーム。戦術分析、ニュース報道、コラム制作からデータリサーチまで、各分野のスペシャリストが在籍しており、欧州主要リーグ、サッカー日本代表、Jリーグはもちろん、女子サッカーや育成年代まで幅広いテーマをカバーする。現地取材で得たリアルや、データを活用したユニークなコンテンツなど、読者に“今、本当に知るべきサッカー情報”を届けることを使命とし、読者に寄り添い、サッカーをより深く、より立体的に楽しめるコンテンツづくりを目指している。
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