桐蔭横浜大学で行われたJリーグクラブ加入内定者合同記者会見【写真:編集部】
桐蔭横浜大学は12月10日、Jリーグ加入内定に伴う合同記者会見を開催した。第99回関東大学サッカーリーグ戦・1部で7位だった今年度は、6名のJリーガーが誕生。過去には山根視来や橘田健人、山田新など多くのプロサッカー選手を輩出してきた実力校から有望な人材がプロの道へと羽ばたいていく。
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6選手それぞれが抱負を語る
合同記者会見には、肥田野蓮治(浦和レッズ)や髙橋一平(ベガルタ仙台)、久永瑠音(いわきFC)、櫻井勇斗(大分トリニータ)、永井大士(栃木SC)、関富貫太(横浜F・マリノス)の6選手と安武亨監督や各クラブの強化担当者らが登壇した。
安武監督は「本当にみんなJリーグの世界で確実に活躍できる選手だと思っています。これから私は皆さんのサポーターになりますけど、全力で応援していきたいと思います」と来季から新たな舞台で戦う教え子たちへエールを送った。
各選手のコメントと安武監督による選手紹介は以下の通り。
来季から浦和レッズに加入する桐蔭横浜大学の肥田野蓮治【写真:編集部】
FW 肥田野蓮治(ひだの・れんじ)/浦和レッズ
「自分のサッカー人生は決して順風満帆ではなく、挫折の多いサッカー人生でした。高校3年で出た練習参加で1度不合格となり、もう1度お願いして、何とかサッカー部に入れた日のことを思い出すと、プロサッカー選手になれたことがとても感慨深いです。大学2年時、まだトップチームに入っていない、関東リーグにも出ていない自分を見つけてくださった浦和のスカウトの方々にも本当に感謝しています。
目標は日の丸を背負って海外で活躍することなので、まだまだスタートラインに立ったばかりですけど、今までお世話になった方々に感謝の気持ちを忘れず、謙虚にひたむきに頑張っていきたいと思っています。自分の特長である左足のシュートや前への推進力を存分に発揮して、浦和レッズが本来いるべき順位に戻れるよう尽力していきたいなと思っています」
安武監督
「最初、肥田野が練習参加に来たとき落としちゃったんですよ。関東第一高校の監督に電話して、もうちょっと強度をつけてからどうですかと話をした。2か月後ぐらいに来てもらったときにこちらがオーダーしたことをしっかり実践してきた。本当に強度が高く、必死で取り組んでくれました。
これは間違いなく伸びるなと思いました。性格的にも能力的にも。大学に入って体も強くなってきて、スピードも上がってきて、フォワードの方がいいんじゃないかということでフォワードにコンバートして、そこから彼本来のスピード・フィジカルが活きて、ここまで成長してくれました」
来季からベガルタ仙台に加入する桐蔭横浜大学の髙橋一平【写真:編集部】
GK 髙橋一平(たかはし・いっぺい)/ベガルタ仙台
「これまで支えてくださった家族、指導者、チームメイト、スタッフの方々、私に関わってくださった全ての方々に感謝し、プレーで恩返しできるよう日々精進したいと思います。
幼い頃からの夢だったプロサッカー選手のキャリアをベガルタ仙台で始められることを東北出身としてとても嬉しく、誇りに思います、仙台の地で熱く戦い、自分の持ち味である高さと身体能力を活かしたセービングで仙台に多くの勝ち点をもたらしたいと思います」
安武監督
「彼はたぶんこれまで代表とかも入っていたし、試合に出れなかった経験はなかったと思う。ただ当時、藤枝(MYFC)でやっている(北村海)チディとか、今ジュビロにいる西澤(翼)とか先輩たちがいて、全く試合に関われなかった。
1、2年のときは中々サッカーに集中できない苦しい時期を過ごしたんですけど、3年生ぐらいになってから精神的に成長してくれました。今年4年になってからは1番伸びた選手だと思います。今やもう守護神ですね。欠かせない選手に成長してくれました」
来季からいわきFCに加入する桐蔭横浜大学の久永瑠音【写真:編集部】
MF 久永瑠音(ひさなが・るおん)/いわきFC
「いわきFCという素晴らしいクラブでプロキャリアをスタートできることをとても嬉しく思います。これまで支えてくださった家族、指導者、仲間をはじめとする全ての方に感謝し、プレーで恩返ししていきたいと思います。
両親は僕がサッカーを始めてから今まで、僕が全力でサッカーに集中できる環境を作ってくださり、怪我で悩んでいるときもいろんな面でサポートしてくださいました。そんな両親に活躍する姿を見せて恩返ししたいと思っています。僕を選んでくださったいわきFCの勝利に貢献できるよう頑張っていきます」
安武監督
「彼は珍しいタイプで、高2ぐらいまでセンターバックでした。センターバックからボランチになって、フォワードになった選手。私はボランチ時代に見て、良いボランチだなと思ってオファーしました。ボールを持ったときの推進力、前へ向かうパワーが素晴らしいものがあったので、フォワードにコンバートさせました。
そこから順調に成長してくれて、3年生のときにはいわきFCに内定をいただいて、4年はちょっと怪我で苦しんだんですけど、前への推進力、フィジカルは素晴らしいものがあると思います」
来季から大分トリニータに加入する桐蔭横浜大学の櫻井勇斗【写真:編集部】
FW 櫻井勇斗(さくらい・ゆうと)/大分トリニータ
「幼い頃からの夢であったプロサッカー選手になれるのは、今まで不自由なくサッカーを続けさせてくれて、常に1番近くで支えてくれた家族の存在があったからだと思います。これまで指導してくださった監督やコーチングスタッフの皆様、切磋琢磨してきた仲間、応援してくれる友達、たくさんの人たちの支えや応援があったからこそ来シーズンから大分でプロサッカー選手としてサッカーをすることができます。
この恩をプロサッカー選手として結果で返すために日々の積み重ねを大切にし、努力していきます。自分の特長を存分に発揮して、大分トリニータの勝利に貢献したいと思っています」
安武監督
「日体柏高校の試合を初めて関東大会に見に行ったんですけど、櫻井に関してはもう見たその日にすぐ先生のところに行って、もう櫻井をすぐくださいって言いました。そのぐらい能力が高くて推進力もあって素晴らしい選手。ちょっと怪我で苦しんだ時期はあったんですけれど、真面目だし、能力も高いので本当に順調に成長してくれました」
来季から栃木SCに加入する桐蔭横浜大学の永井大士【写真:編集部】
MF 永井大士(ながい・たいし)/栃木SC
「幼い頃からの夢であったプロサッカー選手を栃木SCという素晴らしいクラブでスタートできることを大変嬉しく思います。今まで支えてくださった家族、チームメイト、指導者、スタッフの方々に感謝し、常に謙虚に戦い続けます。
自分の強みである高い技術力と予測力を活かして、開幕からスタメンを取れるように日々努力します。楽しむ心を忘れずに栃木SCの勝利のために全力で戦います」
安武監督
「永井は練習参加に来たとき、(川崎)フロンターレの橘田健人という選手がボランチでいて、その後釜をどうしようと思っていた。でも、永井を見たときに『あ、もうこれは大丈夫だ』と思いました。4年間ボランチは永井で行けると。無名だったんですけど、能力も高いですし、技術も高い。
橘田の代わりどころか橘田を超えられると思いました。今しっかり順調に成長して、関東選抜にも入って、素晴らしいボランチに成長して、おそらくリーグの中でもボール奪取能力、インターセプトはトップクラス。チームの中でも毎試合ほぼトップです。そのぐらい守備も良し、攻撃も良しという選手になったと思っています」
来季から横浜F・マリノスに加入する桐蔭横浜大学の関富貫太【写真:編集部】
DF 関富貫太(せきとみ・かんた)/横浜F・マリノス
「2年前、入団会見を行ったこの場所でプロサッカー選手になると宣言してから2年が経ち、その夢を叶えることができ、非常に嬉しく思います。大学2年生ではありますが、今年でサッカー部を退部して、プロの世界に飛び込むことになります。自分をここまで育ててくれ、この決断を後押ししてくださった安武監督、八城修総監督をはじめとしたコーチ陣の皆様には本当に感謝しかありません。
まだまだ足りないところだらけですが、これからマリノスでもっともっと成長し、いつか桐蔭横浜大学の名を世界に広げられるような選手になって恩返しができたらなと思っています。最後に同期のみんなに。みんなと同じピッチでサッカーをすることが多くはなかったけど、僕はみんなの実力を誰よりも知っています。来年、再来年とみんなが日本一を獲ってくれることを信じています」
安武監督
「関富は元々右サイドで中に入ってきてズドンというようなシュートを打つ選手だったんですけど、彼もサイドバックの方がプロになれるという自分の意思もありましたし、元々いた(柏)レイソルユースのチームの意思もあって、彼を左サイドバックにコンバートしました。
強い、速い、上手い、こんなサイドバックは日本にいない、左利きで。中々いないタイプのサイドバックに育ったなと思います。ここからはマリノスに守備力をしっかり強化してもらって、本当に日本を代表するような選手になってもらいたいと思います」
(取材・文:竹中愛美)
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