横浜F・マリノス強化担当の富澤清太郎とともに会見に出席した関富貫太【写真:編集部】
桐蔭横浜大学は12月10日、2026シーズンよりJリーグクラブに加入する内定者の合同記者会見を開催した。来季から横浜F・マリノスへの加入が内定した関富貫太は「大学で培ったものや学んだことをプロの世界に行っても腐らずにもっと上を目指してやっていけたらいい」と抱負を語った。
——————————
関富貫太が2年前倒しでの横浜F・マリノス加入を決めた経緯とは
「1つの目標であったので、こうして記者会見に出ることができて、自分の予想よりは2年早かったんですけど、嬉しく思います」
桐蔭横浜大学2年の関富貫太は、会見を終えた率直な今の思いを明かした。
今年8月下旬に2028年からの横浜F・マリノス加入を内定させ、JFA・Jリーグ特別指定選手として9月にJ1デビューを果たすと、最終節の鹿島アントラーズ戦に左サイドバックとして先発するなど5試合に出場。強みである対人の強さと正確な左足のキックを活かし、堂々のプレーを披露した。
前倒しで来季からプロの舞台に挑戦することになった経緯について関富はこう話す。
「元々、特別指定のお話をいただくときに自分個人としては、早くプロの世界でという思いでやっていたんですけど、大学側との兼ね合いもありますし、今シーズン終わってからもう1度話をしようという形にしていただいた。
Jリーグに出場させていただく中で自分の中で状態だったり、いろいろなことを経験させてもらって、来年から本当にプロの世界で勝負したいという思いが強くなった上で決断しました」
この日同席したマリノスの強化担当・富澤清太郎は関富との出会いをこのように語っている。
「彼を初めて見たとき、栗原勇蔵と一緒に試合を視察していました。そのときに栗原が『この選手いいんじゃない』という一言から始まったのを今も覚えています。その試合で2、3プレーぐらい見たところで、『あ、この選手もう間違いないな』と。
編成上でちょうど左サイドバックを探していた中で、Jリーグの試合を見て、私たちは関富選手にかけたいというふうに(思いが)強くなりました」
桐蔭横浜大学サッカー部の安武亨監督も成長著しい関富に期待を込める。
J1デビューからプロ契約など激動のシーズンを送った関富貫太。「今後の人生において忘れられない1年になった」
来季から横浜F・マリノスに加入する桐蔭横浜大学の関富貫太は先輩とともに決意を新たに【写真:編集部】
「(今年に入って)フィジカル的にまだまだ高校生だったのが、大学生を一気に飛び越えて、大学でもトップまで一気に行ったので、元々あの技術があって、スピードがあって、それにフィジカルがついてきたらもう大学のレベルの選手じゃないです。
間違いなく自信を持って送り出せる。今でもまだまだ守備は甘いですけど、攻撃はもう抜群です。攻撃はJ1でもトップクラスでいいんじゃないですか、サイドバックとして」
関富は現在大学2年生の20歳。サッカー部は退部するが、大学には在籍し、卒業できる形を目指すという。
大学を卒業するまでは選手との両立になっていきそうだが、関富が描く未来図は明るい。
「(2028年の)ロサンゼルスオリンピックも狙っている上で、マリノスでもっともっと活躍をして、海外だったり、日本代表に選ばれるぐらいすごい選手になって、桐蔭横浜大学を代表とするような選手になりたいなと思っています」
今年春に行われたJFA/Jリーグポストユースマッチで関東大学選抜としてU-22 Jリーグ選抜と戦うと、夏にはロサンゼルスオリンピック世代中心のU-22日本代表に初招集された。
その後、2028年からのマリノス加入内定を勝ち取り、J1デビュー。さらには2年前倒しでの加入発表と目まぐるしい1年を送っているように見えるが、関富にはこの1年がどんなふうに映ったのだろうか。
「今後の人生において忘れられない1年になったなというふうに思います。本当にいろんな経験をさせてもらって、いつか挫折だったり、辛い思いをしたときにこういった経験を思い出して、初心を忘れずにこれからやっていけたらいいなというふうに思っています」
設定した目標に一歩ずつ、着実に到達してきた関富が来季、プロの世界でどんな成長曲線を描いていくのか、非常に楽しみである。
(取材・文:竹中愛美)
【関連記事】
桐蔭横浜大学が6名のJリーガーを輩出!横浜F・マリノス内定の関富貫太は大学2年で退部してJ1の舞台へ「恩返しができたら」
関富貫太は横浜F・マリノスで「1歩1歩やっていくだけ」。古巣・柏レイソルとの対戦で新たに芽生えた思い「また来年…」【コラム】
「あの試合で自分自身悔しい思いを」関富貫太はほろ苦いJ1デビューを糧にした。横浜F・マリノスで「スタメンを奪うぐらいの気持ちで」
【了】