プレミアリーグ第16節、リヴァプール対ブライトンの試合が現地時間13日に行われ、ホームチームが2-0で勝利を飾った。この試合でキーマンとなったのが、今夏に加入したフロリアン・ヴィルツだ。ゴールとアシストという数字の部分では結果を残すことができてないが、チームの機能性という部分では多大な貢献度が見られている。(文:安洋一郎)[2/2ページ]
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戦力の最大化に向けた課題
一方で現在のリヴァプールが抱えている戦力の最大化は現時点ではできていない。
78分に2ゴールを記録したエキティケに代わってピッチに入ったアレクサンデル・イサクの活かし方をチームとして見つけることができていない。
ブライトン戦でも器用なエキティケとの比較では前線で起点となることができず、最大の持ち味でもあるシュートを放つことができなかった。
これは彼個人のコンディションの問題もあるが、アルネ・スロット監督はニューカッスルとリヴァプールの違いが得点数が伸び悩んでいる理由と考えているそうだ。
先週末に行われたリーズ戦を前にした記者会見でオランダ人指揮官は「アレックス(イサク)は内側に切り込むタイプのウインガー2人と、クロスを上げることができるフルバックという現在の布陣ではなく、外側に切り込むコナー(・ブラッドリー)やジェレミー(フリンポン)のようなタイプの選手と組むことで、より力を発揮できるかもしれない」と語った。
最後には「例えば(ニューカッスルの)ジェイコブ・マーフィーのような選手を我々が擁していないことは明らかだ」と付け加えている。
この課題を解決するためには、この先の1ヶ月を有効活用することができるかが重要になるだろう。
今節復帰を果たしたサラーがエジプト代表としてアフリカネイションズカップに出場するため、来週末の試合から一時的にチームを離れる。
この期間は、スロット監督が会見で名指ししたDFブラッドリーやDFフリンポンのような選手とのコンビネーションを高めるには絶好の機会となるはずだ。
特に後者は右WGでの起用も考えられ、怪我からの復帰が待ち望まれている。
ガクポ復帰時のヴィルツの起用法など、他にも戦力の最大化に向けてはやることが多い。
ただ、リヴァプールが抱えている選手のクオリティは間違いなくリーグ随一であり、最適解を見つけることができればまだ優勝争いに割って入るだけの残り試合数がある。
ここからがフェイエノールトで多くの選手の入れ替えがあった中でも結果を残し続けたスロット監督の腕の見せ所だろう。
(文:安洋一郎)
【著者プロフィール:安洋一郎】
1998年生まれ、東京都出身。高校2年生の頃から『MILKサッカーアカデミー』の佐藤祐一が運営する『株式会社Lifepicture』で、サッカーのデータ分析や記事制作に従事。大学卒業と同時に独立してフリーランスのライターとして活動する。現在は『フットボールチャンネル』をはじめ複数のwebメディアや欧州名鑑などに寄稿。12歳からアストン・ヴィラを応援し、プレミアリーグを中心に海外サッカー全般を追っている。Xアカウント:@yoichiro_yasu
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