フェイエノールトFW上田綺世とAZアルクマールDFヴァウテル・フース【写真:Getty Images】
オランダ・エールディヴィジ第15節、AZアルクマール対ゴー・アヘッド・イーグルスの試合が7日に行われ、2-2の引き分けに終わった。オランダメディア『Trouw』は8日に、この試合で相手FWを殴打して現地から批判されているAZに所属するU-21オランダ代表DFウーター・フースに注目している。
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暴力行為を繰り返すAZのDF、現地は「軍隊式の指導」が原因か
ゴー・アヘッドが1点をリードして迎えた18分、AZの最終ラインの裏を狙ったFWミラン・スミットがプレーとは関係ない位置で突如倒れ込んでしまう。
別の角度からピッチを撮影していた映像では、スミットの背後から近づいたフースが、腕を掴み首のあたりを殴打する瞬間が捉えられていた。
なお、第6節のフェイエノールト戦では、サッカー日本代表FW上田綺世や渡辺剛に対して、プレーとは関係ない場面で背中をつねったり、殴打したりなどの暴力行為を繰り返していたことがゴー・アヘッド・イーグルス戦のようにカメラに捉えられており、フースは現地でも猛批判されている。
同メディアは、「(相手選手を)押し、殴打し、ひっかく。ここ数ヶ月、フースはほぼ毎週のように注目を浴びている。
彼の“死に物狂い”という精神はオランダでは珍しく、賛否両論の反応を引き起こしている。ただしAZアルクマールを除いて」と前置きし、クラブのユースでの指導について次のように述べている。
「今年の初めに、『NRC』はAZのアカデミーを調査した。複数の元選手が、育成組織は技術的には非常に優れているが、教育面では不十分な点があると指摘した。
2024年の頭には、AZの育成責任者が、ユース選手の“メンタル育成”を目的として、陸軍出身のインストラクターを雇用している」
そして、「それでも、同じ時期にユースでプレーしていたフースは、AZが才能ある選手たちに望んでいるもの、つまり、最高のパフォーマンスを発揮するための精神的な強さを兼ね備えたサッカー選手を体現しているようだ」と、オランダ国内では賛否両論ではあるものの、AZというクラブにとっては理想の選手なのかもしれないと指摘した。