皇后杯のみどころをPRする元なでしこジャパンの海堀あゆみ(右)と近賀ゆかり(左)【写真:編集部】
元なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)で、現在は日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)で理事を務める海堀あゆみと特任理事の近賀ゆかりが12月17日、東京都内で元旦に国立競技場で行われる皇后杯のみどころをアピールした。
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「因縁の対決ではないんですけど」サンフレッチェ広島レジーナ対INAC神戸レオネッサによる決勝のみどころとは?
皇后杯の決勝の舞台に立つのは、初優勝を目指すサンフレッチェ広島レジーナと2大会ぶり8度目の優勝を狙うINAC神戸レオネッサ。
広島は準決勝でセレッソ大阪ヤンマーレディースとのWEリーグ対決を3-2で制し、初の決勝進出を決めた。
一方の神戸は準決勝でなでしこリーグ1部の伊賀FCくノ一三重と対戦し、皇后杯初失点を許すも、リーグ戦で首位を走る勝負強さは健在。セットプレーからゴールを奪い、逆転勝利を収めた。
広島と神戸のOGである近賀は皇后杯決勝について、「レジーナとしてはカップ戦で2つ(タイトルを)獲っているところで、皇后杯は初タイトルをかけたステージに進めた。元日・決勝・国立というサッカー好きだとそこに価値を持っている方も多くいる」と切り出し、こう語った。
「女子サッカーにとっても皇后杯に新たな名前を刻む意味ですごく価値のあるものだと思います。相手はINACでタイトルを何度も獲っているチーム。新たな勢力図になればいいなと思っているので、まず元日・決勝・国立に女子サッカーがあることを多くの方に知っていただきたいなと思っています」
「ほとんど言われちゃった」と近賀の隣で苦笑いしていた海堀は「元日・国立・決勝で、新国立になってから女子は決勝を元日にやったことがないと思うので、ある意味すごくチャンスをいただいた」と元旦に聖地・国立競技場で開催することの意味を感慨深そうに話した。
神戸のOGである海堀は続けて、「INACと広島はWEリーグが始まってから因縁の対決ではないんですけど」と広島と神戸のこれまでの関係性にも触れた。
「INACは多くのタイトルを獲っているんですけど、トーナメントで中々勝ち切れていないところがあったり、レジーナはトーナメントにまず強いところがあったりする。INACのリーグ戦の優勝を潰しているのはいつもレジーナで、唯一勝てていないと言ったらあれですけど、
今シーズンもINACに土をつけているのはレジーナ。今回代表選手がINACもレジーナも入っているので、この試合を見てもらえれば、今のWEリーグを楽しんでもらえると言っても過言ではない試合だと思います」
海堀がこう語るように、両チームに代表組の成宮唯や吉田莉胡、大熊茜、中嶋淑乃らタレントが揃っていることもみどころのひとつ。
広島はリーグ戦では現在6位ながらもWEリーグカップでは昨年の決勝で神戸を破り、WEリーグカップ2連覇を達成するなど、一発勝負のトーナメントに強い。
対する神戸はリーグ戦や皇后杯でタイトルを獲っているが、今季のリーグ戦で唯一黒星をつけられたのが広島と相性は良いとは言い難い。
元旦・国立・決勝というサッカー好きにはたまらない要素が詰まった特別な舞台で皇后杯を掲げるのは果たしてどちらのクラブなのか。
(取材・文:竹中愛美)
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