
プレミアリーグ、今季のガッカリ新戦力5人【写真:Getty Images】
移籍市場で大金が動くプレミアリーグは、毎シーズンのように期待の新戦力がチームに加わっている。しかし、必ずしも成功するとは限らず、期待に応えるような選手もいれば、適応に苦しむ選手もいる。今回は、およそ半分の試合を消化した2025/26シーズンのプレミアリーグで適応に苦しんでいる新戦力を紹介する。(成績は2025年12月21日時点。データは『transfermarkt』を参照)[2/5ページ]
——————————
FW:ヴィクトル・ギェケレシュ

アーセナルFWヴィクトル・ギェケレシュ【写真:Getty Images】
生年月日:1998年6月24日
所属クラブ:アーセナル
移籍金:6580万ユーロ(約111.8億円)
25/26リーグ戦成績:15試合5得点0アシスト
アーセナルはピエール=エメリク・オーバメヤンの退団以降、9番タイプのストライカーが課題とされていた。
あらゆる候補の名前が挙がった中で、最終的に契約をしたのが、昨季スポルティングCPで公式戦54ゴールを決めていたヴィクトル・ギェケレシュだった。
過去にブライトンやコヴェントリー・シティでプレーした経験のあるスウェーデン代表FWは、背番号をレジェンドのティエリ・アンリが背負った「14」を選択した。
アーセナルのベースである強度や前線からのプレスの部分でチームにフィットし、非保持の場面では戦術的な穴になっていない。
しかし、肝心な攻撃面ではあまりチームに適応できていないだろう。
今シーズンのプレミアリーグでは5ゴールを決めているが、そのうち2ゴールがPKによるもの。
流れの中から得点を決めた対戦相手は、昇格組のリーズ・ユナイテッドとバーンリー、未勝利に終わったアンジェ・ポステコグルー体制のノッティンガム・フォレストと明らかな格下、もしくは調子の悪いチームしかない。
得点以外の場面でも存在感が希薄な試合が多い。
プレミアリーグ第16節ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ戦ではチームが69%もボールを保持した中で15回のタッチ数(81分までの出場)に留まった。
アーセナルは両WGが前線の基準になるチームであり、最前線の選手が関わるためにはカイ・ハフェルツやミケル・メリーノのように中盤に下がって縦パスを受けるような動きをしなければ難しい。
一方のギェケレシュは裏のスペースでボールを引き出すことを得意としている選手であり、彼の持ち味が発揮されるシーンが限定的なのが問題だ。
後半戦で活躍するためには、ギョケレシュとチームがさらに歩み寄る必要があるだろう。