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コラム 1か月前

【森保一監督に訊く】サッカー日本代表が温める「戦術的な次の手」は何か? 現実味を帯びるプランBの存在「全部分析されて対応される」

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Shinya Tanaka, Getty Images
インタビューに応じるサッカー日本代表・森保一監督
【写真:編集部】



 FIFAワールドカップ26本大会まで約6ヶ月。サッカー日本代表史上最長の任期となった森保一監督の下で、日本代表は「最高の景色を」目指す。残された期間の中で、森保監督はチームをどのように成長させていくのか。指揮官にインタビューし、本大会に向けた秘策の可能性を探る。(取材・文:加藤健一)[1/2ページ]
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サッカー日本代表
【写真:田中伸弥】

ドイツ代表とブラジル代表は倒したが…

 日本サッカー協会(JFA)は、2005年に発表した「JFA2005年宣言」において、2050年までにサッカー日本代表がFIFAワールドカップで優勝するという長期目標を掲げた。

 その理念の1つとして、日本代表を率いる森保一監督は、FIFAワールドカップ26での優勝を目標として公言している。「最高の景色を」を合言葉に、日本代表は着実に歩みを進めてきた。

 日本代表はアジア2次予選、3次(最終)予選を危なげなく突破し、1998年フランス大会以来8大会連続となるワールドカップ本大会出場を決めた。だが、これまでの過去最高成績は2002年、2010年、2018年、2022年大会でのベスト16にとどまり、決勝トーナメント初戦で4度も涙をのんでいる。


「最高の景色」を見るためには、本大会において優勝候補と目される強豪国を倒し続けなければならない。前回大会ではグループリーグでドイツ代表、スペイン代表に勝利し、大会後も国際親善試合でドイツ代表やブラジル代表を撃破してきた。

 しかし、繰り返しになるが、日本代表は決勝トーナメントで1度も勝利していない。一発勝負の大会特有の重圧の中で同様の結果を残せるかは別問題である。

「すでに分析されて対応される。その上を行く次の一手が必要」

森保一
【写真:田中伸弥】

 森保監督もその点を冷静に見据えている。

「五分五分と言いたいが、まだそこまで行っていない。ただ、『やっても負ける』段階ではなく、『勝つか負けるか分からない』ところまでは来ている」と語り、日本代表が一段階上のフェーズに差し掛かっていることを示した。

 一方、9月以降の直近6試合で顕著だったのは、日本代表と実力が拮抗する中堅国が、日本代表を強く意識し、リスペクトを前提とした戦いを挑んできた点だ。アジア予選での圧倒的な戦績、強豪国撃破の実績、さらには欧州4大リーグやUEFAチャンピオンズリーグでプレーする選手の増加によって、日本代表の国際的なステータスは確実に高まっている。

 しかし同時に、これまで積み上げてきた戦術や振る舞いは分析され、対策される段階に入った。

 森保監督は「これまでやってきたことは、すでに分析されて対応される。その上を行く次の一手が必要」と語り、戦術的なアップデートの必要性を強く意識している。残された半年という時間の中で、何を積み上げられるのかが問われている。


 そうした文脈の中で浮かび上がるのが、4バック回帰の可能性だ。日本代表は2024年6月以降、3バックを採用している。ロングボール対策や人材事情といった理由からの選択だったが、結果的にアジア予選では圧倒的な強さを示した。

 堂安律や三笘薫といった攻撃的な選手をウイングバックに配置する布陣は、対アジア、すなわち格下相手を想定したシステムと見られがちだった。ワールドカップ本大会に向けては、別の策が用意されているのではないか、という見方もできた。

 実際、森保監督自身も「一度4バックに戻した方がいいかなと思っていた」と語っており、4バック回帰は構想の一部として存在していた。

 しかし、9月以降も日本代表は3バックを継続。その理由として、ウイングバックの守備能力向上を挙げ、「守備に重きを置いた4-3-3にする必要性は感じていない」と語っている。

 そう話した数日後、状況は大きく動いた。

ロードマップの根幹を揺るがしかねない出来事

サッカー日本代表MF南野拓実
【写真:Getty Images】

 南野拓実が左膝前十字靭帯断裂という大怪我を負ったのだ。森保政権下で最多ゴールを挙げてきた中心選手の離脱は、大会までのロードマップの根幹を揺るがしかねない出来事である。

 前回大会でも大会直前に中山雄太が負傷離脱するなど、アクシデントは常に付きまとう。だからこそ今回、森保監督は最終予選突破後に新戦力発掘へと大きく舵を切り、リスクマネジメントを進めてきた。

 6月の消化試合では主力を休ませながら複数の新戦力を起用し、7月のE-1選手権でも国内組を中心に経験を積ませた。9月以降も新戦力を継続的に試し、一定の成果を得ている。


 こうした選手層の広がりを踏まえると、4バック回帰はより現実味を帯びる。3バックをベースにしつつ、必要に応じて4バックへと移行するということもあるかもしれない。

 3バックの採用について、森保監督はこう話している。

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