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海外の夢も横浜F・マリノスへの愛着もある。それでも植中朝日がガンバ大阪移籍を決めた理由。「本当にギリギリまで悩みました」【コラム】

シリーズ:コラム text by 高村美砂 photo by Getty Images
植中朝日
植中朝日は横浜F・マリノスからガンバ大阪へ移籍した【写真:編集部】



 昨季、横浜F・マリノスでチーム最多となる8得点を挙げた植中朝日は、ガンバ大阪に完全移籍で加入した。愛着のあるマリノスを離れる決断は簡単ではなかったが、24歳のFWは強い決意を持って新天地で新たなチャレンジをする。(取材・文:高村美砂)[1/2ページ]
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ガンバ大阪移籍の陰に新監督の存在

横浜F・マリノス 植中朝日
横浜F・マリノス時代の植中朝日【写真:編集部】

「パナソニックスタジアム吹田は横浜F・マリノス時代、(自分が出場した試合では)勝ったことのないスタジアムなので嫌な印象はありますが、今年からホームとして戦えるので、このスタジアムで早くゴールを決めたいと思っています」
 1月7日に行われたガンバ大阪の新体制会見に臨んだ植中朝日は、ガンバでの決意を言葉に変えた。

 V・ファーレン長崎で始まったプロキャリアは今年で7年目。23年から在籍したマリノスではここ2年はコンスタントに出場し、昨シーズンは自身J1リーグでのキャリアハイとなる8得点を挙げたが、ガンバの新監督に就任したイェンス・ヴィッシング氏の存在に大きく興味を惹かれたという。


「移籍を決めた理由は色々とありますが、一番は面白い監督がガンバにくるという話を聞いて興味を持ちました。今日も初日から激しい練習をしましたけど、自分のプレースタイルと監督の求めるサッカーは合うんじゃないかと思っています」

 会見で話した想いをもう少し噛み砕く。オフシーズンには『海外』も模索しながらもオファーはなかった中で、自分に足りないものを探すための移籍でもあると言葉を続けた。

残留か移籍か。国内か海外か。悩んだ末に気持ちを動かしたのは…

横浜F・マリノスFW植中朝日
横浜F・マリノス時代の植中朝日【写真:Getty Images】

「今オフは海外の話はなかったですが、海外は自分の夢でもある。だからこそ、ヨーロッパで指導をしてきた監督に、自分がそれを実現するには何が足りないのかということも含めて教えてもらいたいという気持ちもあった。過去に監督経験がある方ではないので、そこまでたくさんの情報を得たわけではなかったですが、やりたいサッカーというか、ヨーロッパで何年もいいチームでコーチをされていたという話を聞いて面白そうだなと思いました。プレー強度はもちろん、サッカー観を含めて、また一から見直したいと思っています」

 もちろん、「3年間お世話になって大好きなクラブになった」マリノスに対する愛着も深かったため、移籍には頭を悩ませたが、最後はマリノス時代とはまた違った持ち味を引き出してもらえるかも知れないという期待感が気持ちを動かしたという。

「しっかりと前からプレスに行くことも僕の武器の1つ。そこを出しつつ、でも前線の選手はやっぱりゴールを取ってナンボなので。僕はその両方をできるタイプだと自負しているからこそ、そこは強みとしてどんどん出していきたい。


 加入に際して三上さん(大勝/フットボール本部本部長)と話した時も『ガンバには出し手はたくさんいる』とおっしゃっていましたが、マリノスでプレーしていた時からそういう選手が多いなってことは感じていた部分。自分の動き出し次第でピンポイントでパスを送り込んでくれる選手もいるなと思っていたし、実際に自分がいい受け手になれば数字ももっともっと伸びるんじゃないかとも思う。

 ボールをくれたら決めてやるって常に思っているので、周りとしっかりコミュニケーションをとってプレーを擦り合わせつつ、数字にこだわっていきたいと思います」

『海外』への想いを強めることになった経験

横浜F・マリノス 植中朝日
横浜F・マリノス時代の植中朝日【写真:Getty Images】

 その言葉にもある通り、前線からのハードワークとゴール前での勝負強さが持ち味。足元の技術も高く、前線でしっかりとボールを収められる選手だ。残留争いの最中にあった昨シーズン終盤も4試合続けてゴールをこじ開け、存在感を際立たせた。2024年に行われたパリ五輪にも、バックアップメンバーとして現地に帯同。グループリーグ第3戦・イスラエル戦と準々決勝・スペイン戦の2試合に途中出場し、キャリアで初の世界大会を戦った。

 そうした経験も、彼の『海外』への想いを強めることにつながったと聞くが、その道を切り拓くためにもまずはチームでの結果だと語気を強める。今年はシーズン移行が実施されるため、百年構想リーグはハーフシーズンで終わるが、そこでも『二桁』を狙うと宣言した。


「数字を取れば信頼もついてくる。今の自分が皆さんの目にどういうふうに映っているのかわかりませんが、結果で自分を示していきたいと思っています」

 一方、明るいキャラクターも魅力の1つ。会見でも「普段からふざけるキャラ。そこでも楽しませられるように頑張っていきたい」と公言した通りに、だ。ガンバで面識のある選手は、マリノス時代にチームメイトとしてプレーしたことのある一森純や五輪代表で一緒だった半田陸をはじめ、筑波大からの新加入選手、池谷銀姿郎くらいだが、人懐こいキャラクターもあってチームに溶け込むのも早そうだ。

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