夏の移籍市場に比べ、冬の補強は「即戦力」や「穴埋め」が主な目的となる。大金を投じるケースは多くなく、成功すればシーズン後半の起爆剤となる一方、判断を誤れば取り返しのつかない負債にもなり得る。世界屈指の名門バルセロナも、例外ではなく、高額な移籍金を投じて獲得しながら、ピッチで価値を示せずに終わった選手は少なくない。今回は、冬の移籍市場で獲得された選手の中から、結果的に「お金の無駄遣い」となってしまった補強を振り返る。※スタッツはデータサイト『Transfermarkt』を参照。情報は1月24日時点。[2/5ページ]
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MF:イブラヒム・アフェレイ(オランダ)
生年月日:1986年4月2日
移籍金:300万ユーロ(約5億4000万円)
在籍期間:2011年冬~2015年夏
公式戦成績:35試合2得点1アシスト
イブラヒム・アフェレイという選手を覚えているだろうか。
オランダ代表の未来を担う存在として早くから注目を集めた一方で、バルセロナでは不遇の時間を過ごした才能のひとりだ。
アフェレイは2004年、母国の名門PSVでトップチームデビュー。当時わずか17歳という年齢からも、クラブがいかにその才能を高く評価していたかが分かる。
期待に違わず、若き才能は急成長を遂げた。
2005/06シーズンから主力の座を掴むと、翌2006/07シーズンにはオランダ代表デビュー。同シーズン終了後には、最も活躍した若手選手に贈られるヨハン・クライフ賞を受賞している。
最終的にアフェレイはPSVに約8シーズン在籍し、公式戦221試合に出場。エールディビジ4連覇を含む数々のタイトル獲得に貢献した。
そんな逸材が次なる挑戦の舞台に選んだのが、スペインの名門バルセロナだった。
アフェライは2011年の冬の移籍市場でバルセロナに加入。移籍金は(約5億4000万円)だった。
しかし、オランダで早くから実績を残していたとはいえ、当時24歳だった彼を取り巻く環境はあまりにも厳しかった。
主戦場である攻撃的MFには、アンドレス・イニエスタやシャビ・エルナンデスといった世界屈指の名手が君臨していたからだ。
加入した2010/11シーズン後半はリーグ戦16試合に出場したものの、その多くは途中出場。翌11/12シーズンは負傷の影響もあり、出場機会はさらに減少してしまう。
状況打開を図り、2012年にはシャルケ(ドイツ)へ期限付き移籍。しかし、バルセロナに復帰した2013/14シーズンも筋肉系の負傷に苦しみ、ほとんどピッチに立てなかった。
翌年にはオリンピアコス(ギリシャ)への期限付き移籍が決まり、そのまま契約満了でクラブを去っている。
結果的に、バルセロナでアフェレイが主力として機能した期間は極めて短かった。
移籍金こそ控えめだったとはいえ、戦力として計算できなかった点で、この補強が成功だったとは言い難い。

