メットライフ生命女子Fリーグ2025/26 ファイナルシーズン第16節(最終節)が2月8に開催され、SWHレディース西宮がバルドラール浦安ラス・ボニータスに勝利し2連覇を達成した。リーグ制覇にかけた選手たちの思いとは。(取材・文:Noriko NAGANO)[1/2ページ]
——————————
「長く応援してくれている声が聞こえてきた」
ワールドカップの中断期間を経て、残り3試合を残し、1月30日に再開されたメットライフ生命女子Fリーグ。首位のバルドラール浦安ラス・ボニータスが、第14節、第15節で勝ち点1を積むのみとなった一方、SWHレディース西宮が2連勝し、勝ち点6を積んで首位に浮上した。
優勝争いの行方は、最終節、西宮と浦安の直接対決で決まることになった。勝ち点3差で首位に立つ西宮は、引き分け以上で優勝が決まる条件となった。
会場となったのは浦安のホーム・バルドラール浦安アリーナ。雪にもかかわらず、今季最多となる1,683人の観客が訪れた。
西宮の追野沙羅が「長く応援してくれている声が聞こえてきた」、浦安の筏井りさが「お世話になった方々が来てくれていた」と、今季限りでの引退を決めている選手たちは特別な思いで、暖かなサポートを感じながらリーグ最終戦の舞台に立っていた。
この日、西宮の上久保仁貴監督は、試合前に選手たちにこう共有した。
「条件的に、勝たないといけないのは浦安、リスクをかけて攻める必要はない。浦安が引いてきたら、攻めないでボールを保持しよう」
そんな中、試合序盤、先制ゴールを決めたのは、浦安のエースであり日本代表のエースでもある筏井りさだった。
ゴール後、ぐっとこぶしを握り、時期を同じく引退する仲間の元へ駆け寄った。
筏井りさがフットサルで叶えた夢
「ボールがこぼれてきて感覚的に決めたゴールだった。絶対に勝ちたい試合だったので、点を取りたいと思っていて、ゴールが入った瞬間、自分の中でぐっとくるものがあった」
今シーズンで引退する筏井は、サッカー選手としてジェフユナイテッド市原・千葉レディース、浦和レッズレディースで活躍した後、フットサルに転向。
昨年11月に初開催されたFIFAフットサル女子ワールドカップで日本のエースとして戦い、ベスト8入りに貢献し、「世界で戦える選手になりたい」という夢をフットサルで叶えた。
ワールドカップという夢の舞台に立った筏井は、世界のトップ・ブラジルと戦い、世界のレベルの高さを痛感すると、自身の4年後を想像した。
「ぜんぜん手が届かないとわかったとき、次のワールドカップでの年齢を計算してみて、ブラジルには45歳の選手がいたので不可能ではないし、個人的には目指したい気持ちはありましたが、自分のできることを整理したときに、次の段階に進もうと決めました。
体の疲労感はそれほど残らなかったのですが、気持ち的に12月いっぱいは切り替えるのに時間がかってしまいました」
チームで勝つことを大事にしてきた筏井は、最後にチームでしっかり結果を残したいという思いで切り替え、リーグ最終戦の舞台に立っていた。
「リーグ最後の試合だったので、小、中、高、大、サッカーの時からの仲間や指導者、お世話になった方々もたくさん来てくれていてすごく緊張した。責任がある場だと思って試合に入りました」
「不安はなかった」
試合は、浦安の塚本夏希が追加点を決め、会場を沸かせる。
2点のビハインドを背負い、厳しい状況に立たされた西宮だったが、2失点しても動じなかった。
「太鼓の音や名前のコールが聞こえてきた。ベンチから聞こえる声やピッチ内でも声を掛け合って、2失点してもぜんぜん落ちることがなかった。
行けるぞ!というプラスの声がよく聞こえてきて、不安はなかった」
追野沙羅はそう振り返った。
「追いかける展開になって、ゴールを奪いにいくということで、チームの目線はそろった」
2失点したあと、タイムアウトをとった西宮の上久保仁貴監督。
「浦安は2点取ったことは大きかったかもしれないが、こちらとしては、もうゴールを奪いにいくしかないということで、チームの目線がそろった」と、攻撃へシフトすると、第1ピリオドのうちに西宮が1点を返す。



