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コラム 24時間前

トッテナム・ホットスパーはなぜ多くの監督から嫌われるのか。強くなる気がない?「ビッグクラブではない」という言葉の意味【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

トッテナム・ホットスパー
2025/26シーズンのプレミアリーグで残留争いを強いられるトッテナム・ホットスパー【写真:Getty Images】



 トッテナム・ホットスパーは2月11日、トーマス・フランク監督の解任を発表した。だが、指揮官を代えるだけで現状は好転するのだろうか。スパーズの低迷は偶発的なものではない。本稿では、その構造的な要因を考察する。(文:安洋一郎)[3/3ページ]
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急速な若手化に伴う「経験不足」

トッテナムDFクリスティアン・ロメロ
主将のクリスティアン・ロメロもリーダーシップを発揮しきれていない【写真:Getty Images】

 昨夏にソン・フンミンやフレイザー・フォースターらが退団したことで、30代の選手は最古参のベン・デイヴィスとローン移籍で加入したジョアン・パリーニャのみ。

 新キャプテンに就任したクリスティアン・ロメロがリーダーシップを発揮できればよかったが、今季だけで2度の退場を余儀なくされるなど、主将としての振る舞いには大きな不安を残している。

「経験」という数値化しづらい部分を甘んじたとは言わないまでも、若手の手本となる選手が少ないことは団結力を生みづらい。実際に今季開幕時点では、他クラブで主将経験のある選手が1人もいなかった。

 フランク前監督もブレントフォード時代に多くの若手選手を伸ばしたが、元バーンリーのベン・ミーのような主将経験のある経験豊富な選手を見本として重宝していた。

 ロッカールームにおけるリーダーシップの欠如は深刻な課題であり、これを考慮して今冬の移籍市場ではチェルシーでキャプテンマークを巻いた経験があるコナー・ギャラガーを獲得。

 スコットランド代表で主将を務めるリヴァプールのアンドリュー・ロバートソンの獲得を試みたのも、キャプテン候補となる選手が不足していたためだとされている。



 また、2021年以降だけで5度の監督交代を行った上に、彼らの採用基準も一貫性がなかった。ポステコグルーからフランクへの監督交代も、求められる選手のプレースタイルが大きく変わってくる。

 今のスパーズはあらゆる側面から見ても「歪なスカッド」なのだ。

 スパーズの根本的な問題は監督ではない。組織の構造的な問題であり、経営哲学であり、覚悟の差だ。

 残り12試合は単なる残留争いではない。クラブが「勝つ組織」へと変わる覚悟を示せるかどうか。その分岐点に立っている。

 まずは2月14日に就任が発表されたイゴール・トゥドール新監督の体制でプレミアリーグに残留しなければ彼らの「変革」は始まらない。

(文:安洋一郎)

【著者プロフィール:安洋一郎】
1998年生まれ、東京都出身。高校2年生の頃から『MILKサッカーアカデミー』の佐藤祐一が運営する『株式会社Lifepicture』で、サッカーのデータ分析や記事制作に従事。大学卒業と同時に独立してフリーランスのライターとして活動する。現在は『フットボールチャンネル』をはじめ複数のwebメディアや欧州名鑑などに寄稿。12歳からアストン・ヴィラを応援し、プレミアリーグを中心に海外サッカー全般を追っている。Xアカウント:@yoichiro_yasu

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【了】

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