明治安田J1百年構想リーグの第2節が15日に行われ、ジェフユナイテッド市原・千葉はホームで川崎フロンターレにPK戦で敗れた。勝ち点1という結果は手にしたが、MFイサカ・ゼインは悔しさを露わにしている。とくに「僕のミス」と反省したプレーとは。(取材・文:石田達也)[1/2ページ]
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イサカ・ゼインにとって特別だった川崎フロンターレ戦
シーズン移行に伴う半年間の特別大会『明治安田J1百年構想リーグ』の第2節がフクダ電子アリーナで行われ、ジェフユナイテッド市原・千葉は川崎フロンターレと対戦した。
両チームとも決め手を欠きながらスコアレスドローで決着がつかず、大会規定によりPK戦が行われ、8-9で敗れたが、17年ぶりとなったJ1の舞台で千葉は勝点1を獲得した。
この試合で、特別な感情を抱きピッチに立っていたのがMFイサカ・ゼインだった。
桐蔭横浜大学から2020年に川崎フロンターレへ加入。同年6月2日の第21節・横浜FC戦でプロデビューを果たしたが、リーグ戦はこの1試合のみの出場にとどまった。
その後、自身の活躍と成長の場を求め、2021年に当時J2の横浜FCへ期限付き移籍をすると、2023年にはモンテディオ山形へ完全移籍。2025年7月に千葉へと完全移籍でやってきた。
「川崎では、まったく試合に絡めずに移籍をした中で、J2で戦ってきました。常に川崎の選手たちに追いつけ、追い越せでやってきたので、この舞台で戦えたことはポジティブですけど、勝つことを目標にしてきたので、それができなかったことに悔しさがあります」
千葉は試合開始から前に行く姿勢を示すと、イサカも積極的に仕掛けていく。
「入るまで打つしかないと」
6分にはDF髙橋壱晟のパスを受けると自らのドリブルでディフェンス網を破り、右足を振っていくも川崎守備陣のブロックに遭う。
さらに21分にはミドルカウンターを発動させ、FW石川大地のパスからゴール付近まで運びシュートを狙ったのだが、これもブロックされると空に向かって大きく吠えた。
チーム最多タイとなる4本のシュートを放ったが、「ゴールしか考えていなかった。他に選択肢があった中でゴールを狙いましたが、決め切れないのは自分の責任。ただ入るまで打つしかないと思いました」と話した。
加えて「個で勝負の部分もありますが、グループとして分析をした中で攻める形は幾つか出せたと思います。ただ、これから分析されていくので難しくなってくると思いますし、個で剥がせる部分をもっとできるようにトライしたいと思います」と続けた。
なおも主導権を握るホームチームは、31分にビッグチャンスを迎える。
MF小林祐介のスルーパスを受けたイサカが右サイドからクロスを上げると、左サイドから中央へとポジションを移したMF津久井匠海が高い打点からヘディングシュートを放ちゴールネットを揺らした。
スタジアムが沸き、先制したかに思われたが、無情にもオフサイドフラッグが上がった。
イサカは自分に言い聞かせるように言葉を吐いた。
イサカ・ゼインの後悔「もう少し我慢できていれば…」
「僕が、もう少し我慢できていれば確実にオフサイドにはならなかった。すごく責任を感じています。祐介くんが僕を見つけてくれたんですけど、早く出過ぎたのは僕のミス。少しの差のところでゴールが入る、入らないが決まると思うので、もっと突き詰めたいと思います」
スコアレスで迎えた後半は川崎が巻き返しにかかるも、球際での強さやセカンドボールの回収、ボールへのコンタクトなど体を張ったプレーで対抗した。
この点については、ちばぎんカップの柏レイソル戦や開幕戦での浦和レッズ戦のように、相手をリスペクトしすぎるナイーブさは捨て去っている。
「この前の2試合の反省は生かせた部分が大きいですし、半歩前進はしていると思います」と手応えを語り、「強度だったり、勇気を持ってボールを前進させるところは積み上げてきたものを出せるようになってきています」とイサカは口にした。
その後、試合終盤まで一進一退の攻防が続き、両チームは選手交代などで流れを変えようと試みるも得点は動かず、タイムアップの笛が鳴り響き、勝敗の行方はPK戦へと持ち越された。
両者8人目までが成功。9人目が共に失敗し、10人目となった小林が、GKスベンド・ブローダーセンに止められ、次のMF家長昭博が冷静に決めると勝敗が決まった。
PK戦は紙一重だ。ミスをした者だけを責めることはできない。
シュート数でも川崎の15本に対し、17本と上回るなど、この試合に勝てる要素が90分間の中にあり、それを掴めなかったことに悔いが残る。



