AFC女子アジアカップに出場しているサッカーイラン女子代表をめぐり、試合後に抗議者がチームバスを取り囲む騒動が発生した。オーストラリアの公共放送局『ABC News』が8日に報じている。
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安全に懸念
騒動はオーストラリアのゴールドコーストで行われたフィリピン戦の後に発生した。試合はフィリピンが2-0で勝利。イランはグループA4位で大会敗退となった。
試合後、スタジアムを離れようとしたイラン女子代表のチームバスを、約200人の抗議者が取り囲み、道路を封鎖する事態となった。
抗議者たちは車体を叩きながら「彼女たちを解放しろ」と叫び、バスの出発は約15分間にわたって阻まれた。最終的には警察が介入し、群衆を押し戻すなどして現場は混乱状態となった。
バスがゆっくりと現場を離れる中、車内の選手たちが抗議の様子を写真に収める姿も確認されたという。
今回の大会では、イラン女子代表は韓国との一戦で、国歌を歌わなかったことで、イランの国営テレビは選手たちを「裏切り者」と非難し、行動は「不名誉の極みだ」と批判。帰国後に「厳しい処罰」が下される可能性にも言及していた。
その後の試合では、選手とスタッフが国歌を歌い、軍式敬礼を行う姿も。また、スタジアム周辺では1979年のイスラム革命以前に使用されていた旧イラン国旗を掲げるファンの姿も確認された。
こうした状況を受け、元オーストラリア代表主将のクレイグ・フォスター氏は、選手の安全を守るためFIFAとAFCに対応を求めた。
さらに、12のイラン系コミュニティ団体と市民団体も、選手たちの安全に「深刻な懸念」があるとして、オーストラリア内務相の トニー・バーク に書簡を送付している模様。
一方で、オーストラリア政府がどのような支援を行う可能性があるのかは現時点で明らかになっていない。外相のペニー・ウォンは、政府が選手たちと接触しているかどうかについて明確な回答を避けているという。
イラン女子代表は現在、帰国後に政権が選手たちを拘束する可能性への懸念も指摘されており、いつ、どのように祖国へ戻ることになるのかは依然として不透明な状況となっている。
