フットボールチャンネル

セリエA 1日前

一体なぜ? イタリア代表では輝けなかったレジェンド10人【Part1】定着できなかった懐かしの名手たち

シリーズ:編集部フォーカス text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

イタリア代表
一体なぜ? イタリア代表では輝けなかったレジェンドたち【写真:Getty Images】



 数々のタイトルを獲得してきたイタリア代表には、常に世界最高峰の才能が集ってきた。その一方で、クラブレベルでは伝説的な実績を残しながらも、輝く機会に恵まれなかった名手たちも存在する。なぜ彼らは代表に定着できなかったのか。今回は10人の選手をピックアップして紹介する。[5/5ページ]
——————————

FW:マルコ・デルヴェッキオ

マルコ・デルヴェッキオ
ローマなどで活躍したマルコ・デルヴェッキオ【写真:Getty Images】



生年月日:1973年4月7日
主な所属クラブ:ローマ
イタリア代表通算成績:22試合4得点

 この男の真骨頂は、何と言っても大舞台での強さにある。それゆえ、“ウオーモ・デルビー(ダービー男)”と呼ばれるほど、永遠のライバル、ラツィオとの戦いで決定力を見せてきた。

 186cmと恵まれた体格を持ちながら、ボールを受けて前進するプレーに長け、機動力に優れた左利きの点取屋だった。

 1995年冬にインテルからローマへレンタル移籍。するとフランコ・センシ会長が惚れ込み、翌年夏には、共同保有権の半分が買い取られ、さらに1997年夏には残りの保有権も支払い、晴れて完全移籍の形でローマの一員となった。



 最初のデルビーでのゴールは、その年の11月1日。それからラツィオ相手にロマニスティを興奮の坩堝に9回も巻き込んでいる。

 9得点はすべてセリエAに限ったもので、これは1950年代にローマで活躍したディーノ・ダ・コスタと並び、2005年夏にローマを退団する時点では、リーグ戦におけるデルビーの歴代最多得点だった。

 その後、ローマの象徴、フランチェスコ・トッティが追い抜き、11得点でトップに立っている。

 最も得点を挙げたシーズンは98/99シーズンの18得点。それ以外では、99/00シーズンの11得点、95/96シーズンの10得点でそれ以外は一桁得点と凡庸な成績にとどまっている。

 それゆえ、デルビーでは際立った決定力を見せていたとしか言えないだろう。

 ミラノ出身のデルヴェッキオは、2025年4月、イタリア紙『コッリエーレ・デッロ・スポルト』のインタビューで「単に落ち着いて試合の準備をしていただけだ。その重要性や特別さは分かっていたが、プレッシャーに苦しむことはなかった」と明かす。

 さらに「私はローマ人だ。私は典型的なミラノ人ではない。性格の奔放さという点ではローマ人に近いと感じている。実際、インテルからローマに来たとき、私はすぐにここに残りたいと申し出た。世界中を探しても、こんな場所は他にあるだろうか?」と語るほど、ローマへの愛を強調。引退後も、永遠の都ローマで暮らすほど、正真正銘のローマ人となっている。

 イタリア代表でも勝負強さを見せたが、その輝きは一度きりだったと言うべきかもしれない。

 それが、EURO2000決勝のフランス戦だ。右サイドからのクロスを押し込み、先制点をマーク。代表初得点とは思えないほど、ゴール前では落ち着きを見せた。

 だが、22試合4得点という数字は、ローマ・デルビーで見せた決定力を思えば納得のいかない結果である。

 クラブでの姿を思えば、代表ではまるで別人がプレーしていたかのようにも映る。

 それともローマ・デルビーという“劇薬”が、デルヴェッキオを別人のように変貌させていたのかもしれない。

【著者プロフィール:佐藤徳和】
1998年にローマでの語学留学中に、地元のアマチュアクラブ「ロムーレア」の練習に参加。帰国後、『ポケットプログレッシブ伊和・和伊辞典』(小学館)の制作に参加し、イタリア語学習書などの編集、校正、執筆に携わる。2007年から、フリーランスとして活動し、主にイタリア・サッカー記事のライティングに従事。2014年には、FC東京でイタリア人臨時GKコーチの通訳を務める。IL ROMANISTA、日本特派員。『使えるイタリア語単語3700』(ベレ出版)、『イタリア語基本の500単語』(語研)を共同執筆。日伊協会では、カルチョの記事を読む講座を開講中。X:@noricazuccuru

【関連記事】
W杯が危うい…。強豪だったイタリア代表はなぜ凋落したのか。様々な要因が絡み合う負の連鎖【コラム】
イタリア代表、本当に大丈夫か?監督人事を巡る狂騒劇、“狂犬”ガットゥーゾはこうしてアッズーリの指揮官に就任した【コラム】
セリエAなのにイタリア人がいない…。なぜ優秀な若手が育ちにくいのか。「今の限界を招いてしまった」大きな誤解とは【コラム】

【了】

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!