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コラム 18時間前

なぜマンチェスター・シティはレアル・マドリードに大敗を喫したのか。2ndレグでも露呈した致命的な弱点とは【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images
マンチェスター・シティ
マンチェスター・シティ【写真:Getty Images】



 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦2ndレグ、マンチェスター・シティ対レアル・マドリードが現地時間17日に行われ、1-2でアウェイチームが勝利。2戦合計で1-5としてベスト8に駒を進めた。4点差もつく大差となったのは、ペップ・グアルディオラのチームに露呈した致命的な弱点だった。同じパターンでやられ続けた彼らの課題とは?(文:安洋一郎)[1/1ページ]

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レアル・マドリードがマンチェスター・シティに2戦合計5-1で勝利

 マンチェスター・シティとレアル・マドリードは、奇妙な巡り合わせで対戦を繰り返している。

 両チームはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の舞台で、2021/22シーズンから5シーズン続けて顔を合わせている。今季もリーグフェーズで対戦しており、その際はマンチェスター・シティが2-1で勝利していた。

 いずれの対戦も「抽選」が絡んでおり、毎年のように対戦を繰り返しているのはあまりに偶然とは思えない巡り合わせだ。

 さて、ラウンド16で顔を合わせた今回の試合は、リーグフェーズで1勝したマン・シティが優位だと思われていた。彼らはDFヨシュコ・グヴァルディオルを除いては、ほぼフルメンバーが揃っている。

 一方のレアル・マドリードは、MFジュード・ベリンガムやFWキリアン・エンバペ(2ndレグで復帰)、DFエデル・ミリトン、FWロドリゴら多数の怪我人を抱えており、直近のリーグ戦でもオサスナとヘタフェに連敗を喫するなど調子を落としていた。

 両監督の初対戦もトピックの1つであり、百戦錬磨のペップ・グアルディオラとシニアチームでの指揮が1年目となるアルバロ・アルベロアでは経験値の差も明らかだった。

 しかし、終わってみれば2戦合計「5-1」でレアル・マドリードが勝利という、当初の予想に反する結果となった。

 この結果に伴い、マン・シティは3季続けてレアル・マドリードに敗れたことでCLを敗退している。

 なぜ、ペップ・グアルディオラのチームは戦力的には優位だと思われていた状況だったにも関わらず、2戦合計で4点差もつけられる大敗を喫したのだろうか。

試合を決した1stレグの前半

 勝敗を大きく決定づけたのが、現地時間3月11日に行われた1stレグの前半だった。

 MFフェエリコ・バルベルデが20分に先制ゴールを決めると、27分と42分にもネットを揺らし、前半だけでハットトリックを達成したのだ。

 いずれの得点にも共通していたのが、GKティボー・クルトワから始まっていた攻撃であること。



 1点目は長いボールに対するDFニコ・オライリーとGKジャンルイジ・ドンナルンマの判断ミスが大きな影響を与えていたが、2点目と3点目はマン・シティの弱点であるロドリの脇のスペースを使われての失点だった。

 SBとCB間の対応も遅れたことで、守備ブロック全体のスライドが間に合っておらず、全体的に後手を踏んでいたのは否めないだろう。

 GKがボールをリリースした直後のトランジションでの脆さが露呈しており、特に前線から中盤でのフィルターが不足していたのは明らか。

 レアル・マドリードの攻撃陣は背後への意識が強く、高いライン設定をしていたマン・シティの守備相手には相性が良かった。この攻撃パターンには、レアル・マドリードの狙いがハッキリと見えている。

 前線から制限のかからないマン・シティのプレスは、ボール保持者への圧力が弱く、アルベロアのチームは意図して左サイドからFWヴィニシウス・ジュニオールに得意の仕掛けを積極的に促した。

 ブラジル代表FWは2トップの一角から状況に合わせて自由に動くことで相手のマークを外している。

 中盤に下りての「ライン間でのキャリー」や左の大外に張った状況からの「背後へのランニング」はいずれも脅威となり、彼のプレーが起点となって2点目と3点目が生まれている。

 左サイドを起点とした攻撃の狙いは2ndレグでも継続された。

2ndレグでもマンチェスター・シティの課題は変わらず

 試合を完全に決定づけたのが、17分にMFベルナルド・シウヴァがハンドで決定機を阻止し、PK献上と退場が言い渡されたシーンだろう。

 マン・シティからすると、試合を振り出しに戻すためには失点をしない上で3点が必要だった。しかし、ポルトガル代表MFの退場によって数的不利になると同時に、ダメ押しの4点目をPKで決められたのはあまりに痛恨だった。

 ただ、この場面は偶発的に起きたものではない。



 1stレグの失点シーンで露呈した「ロドリの脇のスペースを活用されてのプレス回避」と「ヴィニシウスの仕掛け」というまったく同じパターンから始まっており、レアル・マドリードの狙いが刺さった結果である。

 ペップ・グアルディオラは2ndレグでも1stレグで再三にわたり突かれたウィークポイントを修正するには至らず、逆にレアル・マドリードは狙い通りの攻略法で効率よくチャンスを作り続けた。

 最終的には2戦合計1-5での敗戦となったが、ヴィニシウスの決定力次第ではさらに点差がついていた可能性もあった。

 マン・シティがトランジションで不利な局面になるのはこの試合が初めてではない。

 シーズンを通して、簡単にプレスを回避されて中央を突破されるシーンは何度も見られており、中盤のフィルター不足は顕著となっている。

 この課題を戦術的に解決するのか、それとも人を入れ替えることで解決をするのか。

 昨夏に多くの選手を入れ替えたことからもわかるように、現在のマンチェスター・シティはチームを再建している最中である。

 構造的に同じ弱点を突かれ続けたのは残りのシーズンにも響く可能性があり、来季に向けては中盤のさらなる補強の必要性も感じる2試合となった。

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【了】

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