
ジェフ千葉でプレーする呉屋大翔【写真:Getty Images】
明治安田J1百年構想リーグ第9節が各地で行われ、4日にジェフユナイテッド千葉は、東京ヴェルディと対戦し3-2で勝利。連敗を「3」で止めた。2ゴールの活躍を見せた呉屋大翔は、自身とチームの改善点を述べながら、明るい未来への確かな手応えを感じていた。(取材・文:石田達也)[1/2ページ]
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2023シーズンの雪辱を果たしたジェフユナイテッド千葉

本拠地・フクダ電子アリーナに詰めかけたジェフ千葉サポーター【写真:Getty Images】
FW呉屋大翔の言葉には想いが積もっていた。
「結果が欲しい。チームとしても結果が欲しいタイミングでしたし、相手も東京ヴェルディっていうところで、自分も3年前にいましたがJ1昇格プレーオフでは悔しい思いをしました。
それは、みんなが共有をしていて、どうしても勝ちたい相手でしたし、特段にその気持ちはありました」
こう振り返ったのはJ1百年構想リーグ第9節でヴェルディを3-2で破ったあとだった。
2023年11月26日、ジェフユナイテッド千葉は、レギュラーシーズンを6位で終えJ1昇格プレーオフに進出した。
同3位のヴェルディと敵地で戦うなか、呉屋も先発出場し46分までプレー。僅かな差を埋めきれず1-2で涙を呑み、谷底に落とされるような思いを味わされた選手の一人だ。
その後、勢いに乗った東京Vは、PO決勝で清水エスパルスを破ると16年ぶりのJ1昇格を達成。一方の千葉は、リスタートを切りながら昨シーズンのPOを制し17年ぶりのJ1昇格を決めた。
あの時に届かなかった一歩を埋めに行くなか、呉屋は気持ちが大事なことを知っている。敗れる悔しさも十二分に分かっている。
ついにJ1の舞台に返り咲いた呉屋大翔

ゴール後の呉屋大翔とチームメイト【写真:Getty Images】
「めちゃくちゃリベンジへの思いはありましたし、メンバーも変わっていますが、そこは(悔しさを)晴らしたいという気持ちでした」
ましてやこれ以上、連敗は許されない。そういう意味でもチーム全体に気合が入っていた。
立ち上がりから千葉が主導権を握る。13分にはDF髙橋壱晟がカットインしながらクロスをゴール前に上げると呉屋が相手と競り合いながらヘッドで狙う。
そして17分にはゴール前でリターンパスを受けたMF安井拓也がペナルティーエリア内に侵入すると、相手に倒されPKを獲得。呉屋のキックはGK長沢祐弥に止められるが、弾いたボールをみずから左足で押し込んだ。
その後も千葉の時間は続き、31分、髙橋のパスで裏に抜けたMFイサカ・ゼインがクロスを入れると呉屋が反転し左足でフィニッシュ。これは相手キーパーの正面となるが、40分にはストライカーが何たるかを結果で示す。
ヴェルディに攻め込まれたところからロングカウンターを発動させると、自陣深い位置からイサカがドリブルで運びディフェンスラインの裏へと走り込んだ呉屋にラストパスが渡る。
背番号9は倒れ込みながらも左足で流し込むと「どうだっ!」とばかりに飛び上がりながら何度も右の拳を突き上げてみせた。
この日、チーム最多6本のシュートを放った呉屋にとっては2021シーズン以来となるJ1でのゴールでもあり、今季初ゴールを複数得点で飾った。
ここまで9試合に出場し、結果が出ていなかったが、練習で積み重ねているものを体現できている自信があるからこその活躍でもある。
「戦術の理解に対しては、すごいあるなって」

PKのチャンスを決め切る呉屋大翔【写真:Getty Images】
「PKは、めちゃめちゃよまれてしまったんですけど、うまく転がってきてくれて良かったって言うしかない。でも2点目は、全員がああいうパスをチャレンジしてくれていて、最近は、ああいうパスを引き出すことを僕自身も意識しています。
個々のチャレンジがある中で、パスを引き出せるようになってきたっていうのは、僕の中で、すごく手応えを感じているので続けていきたいと思っています」
フォア・ザ・チーム精神を前面に押し出す男は、この日も序盤から身を粉にして走り回る。自分の良さを発揮できる感覚も掴めているのだろう。
また新たな形とでも言えばいいのだろうか、中盤深くまで下りて数的優位な形を作りセカンドボール争いにも加わり、そしてタイミングを図って前線へと駆け上がる。
泥臭いプレーも厭わず前線からチームをけん引する呉屋に対し、髙橋は言う。
「戦術の理解に対しては、すごいあるなって思っていますし、僕が言うのもあれですけど、『チームが成長していくのと共に成長しよう』っていう姿勢はすごい。ベテランとして引っ張ってくれています」
特に2得点目には確かな裏付けがあった。呉屋もこう言って胸を張る。