日テレ・東京ヴェルディベレーザの塩越柚歩【写真:© WE LEAGUE】
2025/26 WEリーグ クラシエカップ決勝が4月29日に開催され、日テレ・東京ヴェルディベレーザがRB大宮アルディージャWOMENをPK戦の末に1-3で下し、初優勝を飾った。チームの主力として120分間戦い抜いた塩越柚歩が勝負を分けたポイントを明かした。
塩越柚歩が支えたベレーザ初戴冠
「みんなの強い気持ちが120分通して、PK戦もですけど、結果として表れたのかなと。イワシさん(岩清水梓)の引退もそうですし、みんなで頑張って、この決勝まで来たという思いがあったので。怪我人や出られない選手もいる中でいろんな人の思いをこの試合にぶつけようという、少しの差で勝てたのかなと思います」
塩越柚歩が振り返った通り、決勝はどちらが勝ってもおかしくない激闘だった。
ともに初優勝を目指す戦いは90分で決着がつかず、延長戦に突入した。
延長前半の100分、北村菜々美がこぼれ球を押し込み、日テレ・東京ヴェルディベレーザの勝利を手繰り寄せたかに見えた。
ところが、延長後半の114分、RB大宮アルディージャWOMENの阪口萌乃にヘディングシュートを決められ、試合は再び振り出しに戻った。
両チームとも足が攣るほどハードワークを続けたが、120分では決着がつかず、勝負はPK戦へ。ベレーザがこれを制し、クラシエカップ初優勝を手にした。
ただ、塩越は「あんまりチームの力になれなかったなという印象が強い試合ではあった」と振り返る。
それでも、試合を分けた要因のひとつに経験を挙げた。
「大宮さんはタイトルがかかる試合が数多くはなかったのかなと思うので、少なからず、イワシさんやルミさん(宇津木瑠美)だったり、多く経験している選手がいたのも大きいところかなと思う。自分も皇后杯やタイトルがかかる試合も何度かやってきているので、そこの差もあったのかなと思います」
塩越は今季、中学時代から昨季まで15年在籍した三菱重工浦和レッズレディースから、ライバルチームの日テレ・東京ヴェルディベレーザへ完全移籍を果たした。
今季はリーグ戦でここまで全19試合に出場し、得点ランキング3位の9ゴールをマーク。浦和時代にも指導を受けた楠瀬直木監督のもと、若いチームを支えてきたひとりだ。
「監督が代わって、自分も移籍してきた中で選手間と監督のギャップは正直、シーズン始めは感じていた。なかなかお互いを理解しきれない分、信頼関係もちょっと薄いなとは感じていたんですけど、シーズン終盤になってきて、そこの信頼関係がすごく強くなってきている」とチームの成長を感じていたようだ。
「自分は繋ぎ役と言ったらあれですけど、上手くみんながコミュニケーションを取れるように、良い雰囲気で常にチームが保たれるように意識してきた。プレー中や普段の雰囲気にも段々表れているのを感じた中でタイトルがかかった試合だったので、雰囲気はすごく良かったです。
監督の思いもある中でいろんな思いを乗せて、結果としてタイトルという形を自分は残したいと思っていたので、それが結果と繋がって良かったなと思います」
新天地でのチャレンジはまだ続く。リーグ戦は残り3試合。さらにAFC女子チャンピオンズリーグ(AWCL)の準決勝が来月には控えている。
「このクラブにタイトルをという思いで移籍してきたので、1つ結果として残せて良かったところと、これでは終われない思いもある。リーグ戦で1つでも勝ち点をとって、AWCLもしっかりとって、また次に繋げられたらなと思います」
塩越は欲しかったタイトルを得て、シーズン終盤も走り抜ける思いだ。
(取材・文:竹中愛美)
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