ガンバ大阪がAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)を制覇した。選手、監督はもちろんのこと、スタッフ陣の貢献も、クラブがアジアの頂点を取る上で欠かせなかった。そこで本稿では、ピッチ外でガンバを支える“仕事人”たちにフォーカス。現地サウジアラビアで取材した高村美砂氏が、その奮闘を綴る。第2回はチーフトレーナー(フィジオセラピスト)の田中雄太について。(取材・文:高村美砂)[2/2ページ]
「正直、考えなければいけないことが多すぎて…」
「僕らの仕事は5-0で勝っても0-1で負けても何も変わらない。どの試合でもやることは同じだ、ということを意識して進んできましたけど正直、考えなければいけないことが多すぎて、僕らの頭もなかなかついていかないということもあり、メディカルチーム全員が日々戦っていました」
だが、それも「全てが優勝で報われた」と続けた。
「24年から僕がチーフトレーナーをさせていただくようになり、中村や鍛治がメディカルチームに加わってくれた中で、ちょうどその年に天皇杯で決勝に進出したんですけど、あと1つが勝てず…。以来、僕たちメディカルチームももっとできたことがあったんじゃないか、何かが足りなかったんじゃないかと自分たちに矢印を向け、僕らなりの立場で『タイトル』への欲を燃やしていました。
そういう意味ではメディカルチームのみんなが待ち望んだ『タイトル』でもあったのですごく嬉しいです。帰国したらまた大阪に残っているスタッフを含めて、みんなで喜びたいと思います」
余談だが、今回のリヤド遠征には選手の疲労回復をサポートしたり、冷却と圧迫を同時に行うことで腫れや炎症を素早く抑えるといった効果のある『Game Ready』と呼ばれる機器を2台、日本から持ち込んでいる。
田中によれば「ケガをしている選手はもちろん、していない選手もリカバリーに使っている選手が多い」らしい。
ただし、高額の精密機器ということもあってだろう。移動の際は毎回、田中と鍛治が一台ずつ手荷物として肌身離さずに運ぶことに。その重さ、なんと1つあたり10キロ超え。
当然ながらずっしりくる重量だが「それで選手の体が少しでも良くなるなら軽いもんですよ」と田中。帰途につく空港でもそれをしっかりと握りしめながら、大阪で待つメディカルスタッフへのお土産を選んでいたのも温かな光景だった。
(取材・文:高村美砂)
【著者プロフィール:高村美砂】
雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。
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