FIFAワールドカップ2026でベルギー代表に1-4で敗れ、ベスト16で敗退したアメリカ代表について、米メディア『ESPN』は9日、「アメリカが育成システムを変えない限り、ワールドカップでの敗退は続くだろう」と題した特集を掲載。ユース育成の現状に厳しい視線を向けている。
アメリカサッカー界の課題とは?
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同メディアは、アメリカではワールドカップ敗退のたびに「優秀なアスリートが他競技へ流れていること」が理由として挙げられるものの、それは言い訳に過ぎないと指摘。約3億5000万人の人口を抱えるアメリカは、ベルギー(約1200万人)やノルウェー(約560万人)と比べても十分な競技人口を有しており、「問題は才能ではなく、勝利への執念を持つ選手を育てられているかどうかだ」と論じた。
そのうえで最大の課題として挙げたのが、アメリカ特有の「ペイ・トゥ・プレー(競技参加に高額な費用が必要な仕組み)」を中心とした育成システムだ。現在も多くの子どもたちは遠征費や登録料などを保護者が負担する「トラベルサッカー」を通じて育成されており、年間2万ドル(約290万円)を超える費用がかかるケースもあるという。
同メディアは、この仕組みが都市部や地方の子どもたちの参加機会を狭めるだけでなく、クラブ側が育成よりも勝利や利益を優先する構造を生み出していると分析。幼少期から結果を求めるあまり、創造性や競争心を持つ選手ではなく、身体能力に優れた選手が優先的に起用される傾向があると指摘した。
また、選手や保護者が「顧客」となるため、厳しい指導や精神的な成長を促す環境が作りづらくなっているとも説明。選手は気に入らなければ別クラブへ移籍でき、クラブも育成より新たな選手の獲得を優先する「平凡さの連鎖」に陥っていると問題視した。
さらに、今大会のアメリカ代表については「才能ではベルギーに劣っていなかったが、ハードワークや精神面で上回られた」と評価。
かつてのクラウディオ・レイナ氏やランドン・ドノバン氏、クリント・デンプシー氏らが率いた世代と比較し、「現在のチームはより才能豊かでありながら、闘争心という面では後退している」と論じている。
同メディアは、現在の育成システムがこのまま変わらなければ、アメリカ代表は今後もワールドカップで同様の結果を繰り返す可能性があると警鐘を鳴らしている。
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