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ノルウェー代表の敗因はハーランド? 1ヵ月前とはまるで別人。「非情」な指揮官でも代えられなかった大エースの功罪

text by 編集部 photo by Getty Images
ハーランド ノルウェー代表
ノルウェー代表FWアーリング・ハーランド【写真:Getty Images】



 FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会で史上初のベスト8進出を果たしたノルウェー代表が、イングランド代表を相手に延長まで戦って1-2で敗北。敗因のひとつは、コンディション不良が明白だったアーリング・ハーランドを延長前半終了まで下げなかった采配だろう。過去に非情な決断を下してきたストーレ・ソルバッケン監督ですら動かせなかった大エースの存在感と、その代償に迫る。

功績に異論の余地はないストライカー

 今大会で7得点をあげたハーランドに対して、その能力に異論があるサッカーファンはいないだろう。ノルウェーの躍進を支えた主力のひとりではあるが、イングランド戦では著しく精彩を欠いていた。

 データサイト『FotMob』によれば、105分の出場でタッチ数はわずか「21」。68分からピッチに立ったアントニオ・ヌサと比較しても10回以上ボールに触れる回数が少なかった。

 グループステージ第1節・イラク戦では自身も2ゴールをあげ、ノルウェーの4-1勝利に大きく貢献したが、約1か月前と比べると別人のようだった。同試合で自身2点目に繋がった果敢なハイプレスは影を潜め、ボールが収まりそうな局面でもスプリントは重く、決定的な仕事はできなかった。

 それでもストーレ・ソルバッケン監督は、延長前半が終わるまで交代のカードを切らなかった。



 2011/12シーズンのケルン時代、当時絶対的エースだったルーカス・ポドルスキからキャプテンマークを剥奪するなど、勝利のためなら情に流されない指揮官として知られてきたのがソルバッケンだ。その非情な男でさえ、大会最大のヒーローには手をつけられなかった。

 しかも、ノルウェーはベンチの質が低いわけではない。イングランド戦で途中出場したヌサやオスカー・ボブが何度かポテンシャルを示すシーンを作ったように、控えから違いを見せられる選手は多い。

 実際、延長後半にハーランドと代わって投入されたヨルゲン・ストランド・ラーセンは、クリスタル・パレスへクラブ史上最高額で加入した逸材であり、代役としては申し分ない存在だった。ウルヴァーハンプトンに所属していた2024/25シーズンはプレミアリーグで14ゴール4アシストを記録しており、スコアラーとして十分に頼れただろう。

 つまり選手層は問題ではない。恐らく、エースがハーランドでなければソルバッケン監督は代えていた。リアリストですらロマンを託したくなるストライカーの存在は重要だが、この試合で求められたのはかつてのポドルスキ―に見せた「非情さ」だったように見える。

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