FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)で、競技規則の変更やその運用をめぐる混乱が相次いでいる。英紙『ガーディアン』は15日、FIFAが十分な検証を経ていないルール変更を世界中が注目するW杯で適用していると指摘した。
『ガーディアン』がFIFAのルールに変更に疑問
同紙のボー・デュア記者は、記事の中で漫画『カルビンとホッブス』に登場する架空のスポーツ「カルビンボール」を引き合いに出した。プレー中にルールが次々と変わり、何が正しいのか分からなくなるゲームになぞらえ、今大会のレフェリングに疑問を呈している。
2026年の競技規則は7月1日に正式変更された。しかし、国際サッカー評議会(IFAB)の規定では、7月1日以前に始まった大会について、変更の適用を前倒しすることも、次の大会開始まで延期することも可能だという。
それでもFIFAは、十分に検証されていない新ルールを今大会で適用している。
その一つが「人違い」に関する規定だ。パラグアイ代表FWミゲル・アルミロンはアメリカ戦で倒れた際、DFティム・リームに警告が提示された。しかし映像確認の結果、アルミロンのシミュレーションと判定され、リームの警告は取り消し。アルミロンに警告が与えられた。
この規定は、スイス代表FWブレール・エンボロの退場にも影響した。アルゼンチン戦では、当初MFレアンドロ・パレデスに提示された警告が取り消され、エンボロに警告が与えられた。その警告が2枚目だったため、エンボロは退場。スイスは数的不利となり、延長戦の末に敗れている。
また、今大会からは、相手に対して挑発的な状況で口を覆って話す行為も退場対象となった。アルミロンはパラグアイの第2戦でこの規定に抵触し、退場処分を受けている。
一方で、テクノロジーを用いた極端に細かな判定も物議を醸した。クロアチア対ポルトガル戦では、クロアチアの同点ゴールが取り消された。ボールのセンサーがイゴール・マタノビッチの髪へのわずかな接触を検知し、その瞬間に味方のヨシュコ・グバルディオルがオフサイドポジションにいたと判定されたためだ。
『ガーディアン』はVARそのものを問題視しているわけではない。アメリカンフットボールやクリケットなど、リプレー技術を効果的に活用しているスポーツもある。
同紙が問題視したのは、FIFAとIFABが複雑化するルールの変更や適用について、十分な説明を行えていないことだ。
ルール変更が相次ぎ、適用される規定も複雑化する中、世界最大の舞台で選手、審判、ファンの間に混乱が生まれている。FIFAとIFABには、競技規則を変更するだけでなく、その内容を明確に伝える責任も求められている。
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