
チェルシー、補強診断【写真:Getty Images】
昨季プレミアリーグを失意の10位で終えたチェルシーは、今夏にシャビ・アロンソを新監督として招聘した。大規模な改革を行い、獲得と放出の双方でクラブ史上最高額を更新。毎夏の移籍市場で主役となるチェルシーの補強にはどのような意図があり、チームの課題を解決するものだったのだろうか。「獲得」「放出」「計画性」「バランス」「コスパ」の5項目を各20点、計100点満点で採点する。(文:安洋一郎)[2/2ページ]
チェルシー、補強総合評価
補強評価:B(79点/獲得16・放出19・計画性16・バランス13・コスパ15)
今夏のチェルシーの補強診断は「B評価」とした。
「獲得」は質が高いだろう。目玉補強のロジャーズはすでに得点とアシストで即戦力として機能し、ラクロワは3バックの中央として守備範囲と対人の強さがハマっている。ベテラン勢も「経験」という数字に出にくい部分を補う意図が明確だ。
しかし、エンソ・フェルナンデス放出後の中盤即戦力を確保できなかった点は減点材料だろう。
一方の「放出」は大成功と言える。FWニコラス・ジャクソンやMFアンドレイ・サントス、FWリアム・デラップら余剰戦力を高値で整理し、スカッドをスリム化することに成功したのは高く評価できる。
「計画性」はアロンソを「マネージャー」として招き、監督の求めるタイプを優先した点が良い。若手偏重からベテランと有望株のミックスへ方針転換したのも意図がはっきりしている。ただし、デッドラインデーのエンソ・フェルナンデス売却とカマラの破談でややマイナスとした。
「バランス」は年齢構成こそ改善したが、ポジションバランスはまだ偏っている。攻撃は好調な一方、リーグ3試合で7失点とクリーンシートがなく、勝ち筋が「打ち合いを制する」以外に見えにくい。中盤の層の薄さと撤退守備の脆さが守備の不安定さに直結している。
「コスパ」は、ロジャーズやラクロワのように、取引相手のクラブが求めていた評価額を満額支払うケースも多く、買いの単価は高かった。
ただし、エミ・マルティネスやウェルベック、ヘンダーソンは割安で、放出益が全体を大幅に相殺している。
移籍金の収支だけを見るとプラスであり、大幅な赤字を出すことが多かったこれまでのチェルシーとしては健全だろう。
中盤に課題を残した一方、シャビ・アロンソの戦術に合わせた再編は着実に進んだ。3バックを軸とした新たなチェルシーがどこまで早く完成度を高められるか。今季はその手腕が問われるシーズンになりそうだ。
(文:安洋一郎)
CHELSEA
チェルシー
移籍情報2026/27
※移籍情報はプレミアリーグ公式サイトをもとに作成。
【著者プロフィール:安洋一郎】
1998年生まれ、東京都出身。高校2年生の頃から『MILKサッカーアカデミー』の佐藤祐一が運営する『株式会社Lifepicture』で、サッカーのデータ分析や記事制作に従事。大学卒業と同時に独立してフリーランスのライターとして活動する。現在は『フットボールチャンネル』をはじめ複数のwebメディアや欧州名鑑などに寄稿。12歳からアストン・ヴィラを応援し、プレミアリーグを中心に海外サッカー全般を追っている。Xアカウント:@yoichiro_yasu
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