国際サッカー連盟(FIFA)が、選手による一方的な契約解除に伴う補償金の算定方法を変更する方針を示した。アルゼンチン代表FWフリアン・アルバレスをめぐる騒動がきっかけの一つとなり、現地では「フリアン・アルバレス法」と呼ばれている今回の改正について、アルゼンチン版『ESPN』が12日に報じている。
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フリアン・アルバレスが2027年1月より施工へ
もっとも、「フリアン・アルバレス法」は正式な法律の名称ではない。FIFAの『選手の地位および移籍に関する規則(RETJ)』第17条の改正を指す通称。今回の新たな枠組みは、選手が契約を一方的に解除した場合に、どのような基準で補償金を算定するかを見直すものとなる。
フリアン・アルバレスをめぐっては、夏の移籍市場で本人がアトレティコ・マドリードからの退団を希望し、バルセロナが獲得に関心を示したとされる。しかし、アトレティコは同選手の退団を認めず、移籍交渉を進めるうえで大きな障壁となったのが、巨額の契約解除条項だった。
アルバレスの契約解除条項は、約5億8000万ドル(約850億円)に上ると報じられていた。あまりにも高額な金額であるため、実際には獲得を希望するクラブが支払うことは極めて難しく、選手の移籍を事実上阻む壁として機能した。
最終的にアルバレスはアトレティコに残留したものの、この一件は同選手個人の問題にとどまらず、「クラブは、選手が退団できないほど高額な金額を契約解除条項に設定できるのか」という議論を改めて浮上させることになった。
こうした状況を受け、FIFAは契約解除に伴う補償金について、新たな基準を設けることを決めた。
改正された規則では、契約が一方的に解除された場合の補償金について、個々の事情に対して比例性があり、合理的なものであるべきだという考え方が示される。選手の権利を守る一方、クラブが受ける損害や投資も保護するため、双方のバランスを取ることが狙いとなる。
補償金を算定する際には、解除される契約の残存期間や契約に含まれる給与、選手の代役を獲得するための費用、クラブが証明できるその他の損害などが考慮される可能性があるという。
つまり、契約解除条項そのものがなくなるわけではない。FIFAは、あまりにも不均衡な金額が設定されることで、選手の退団を実質的に不可能にするような状況を避けようとしている。
ただし、今回の改正によって、アルバレスとアトレティコの現在の契約状況が自動的に変更されるわけではない。新たな規則は2027年1月1日に施行される予定で、今回の枠組みは規則の対象となる新たな契約を念頭に置いたものとされている。
そのため、アルバレスが現在アトレティコと結んでいる契約に対して、改正内容が直ちに適用されるわけではない。一方で、同選手をめぐる問題は、今回の議論が大きな注目を集める理由を示す象徴的な事例となっている。
新規則は、次の大きな移籍市場が始まる直前となる2027年1月から施行される。今後は、クラブと選手が契約を結ぶ際、契約解除や移籍に伴う補償金をどのように設定するかにも影響を与える可能性がある。
選手側にとっては、過度に高額な補償金を求められる場面に対抗するための新たな手段となり得る。一方、クラブ側にも、自らの投資を保護する仕組みは残される。ただし、その判断はより明確な基準のもとで行われることになる。
アルバレス本人が単独で今回の改正を引き起こしたわけではない。しかし、アトレティコとの契約をめぐる騒動は、選手の自由とクラブの権利をどのように両立させるのかという問題を説明するうえで、最もわかりやすい事例となった。
「フリアン・アルバレス法」は正式な法律ではないが、それでも2027年以降、サッカー界では選手の契約解除に際して、自由の代償をどのように算定するのか、新たなルールのもとで判断されることになる。
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