
天皇杯3回戦・セレッソ大阪対鹿児島ユナイテッドFC【写真:Getty Images】
天皇杯3回戦でセレッソ大阪と鹿児島ユナイテッドFCが、10月7日にYANMAR HANASAKA STADIUMで対戦する。鹿児島は明治安田J3リーグで開幕から9試合無敗。2回戦ではJ2のアルビレックス新潟を4-0で下しており、今度はJ1クラブの撃破を狙う。セレッソは、その勢いを止められるか。
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明確に“持たせる”戦い方
鹿児島は4日の福島ユナイテッドFC戦を3-2で制し、リーグ戦の成績を7勝2分けとした。9月2日のYBCルヴァンカップ・北海道コンサドーレ札幌戦では敗れているものの、J3ではいまだ黒星がない。天皇杯でもレノファ山口FC、新潟を破って勝ち上がり、カテゴリーが2つ上のセレッソに挑む。
強みは、ボールを長く持たなくても攻守の成果を出していることだ。以下のスタッツは、両チームともリーグ戦9試合終了時点のJリーグ公式データを用いる。
鹿児島の平均ボール支配率は41.7%でJ3の19位。パス総数も2513本で18位と、保持の量は多くない。それでも、被シュート83本はリーグで2番目に少なく、被枠内シュート23本は最少だ。明確に“持たせる”戦い方だ。
インターセプト17回はJ3最多、こぼれ球奪取355回は5位。パスを遮り、競り合いの後のボールを確保するプレーを重ねている。攻撃でも枠内シュート47本は4位を記録しており、守備から攻撃へ効率よくつなげられていることが分かる。
とにかく縦へ鋭いボールを差し込み、少ないタッチ数でゴールに直結するシーンが多い。敵陣へ運ぶ手段も多彩で、福島戦のチームの2点目にあたる田中渉のファインゴールはハーフウェーラインを越えるロングスローに端を発する。
チームの中心のひとりが有田稜だ。8試合で3得点3アシストを記録し、自ら決めるだけでなく味方の得点も支えている。中盤では嵯峨理久がチーム最多のこぼれ球奪取39回。セレッソの攻撃を止めた後、こうした選手を経由して前進できれば、再び格上を脅かす展開に持ち込める。
それぞれの特徴が噛み合う可能性も?
一方、セレッソの持ち味はボールを動かしながら攻撃を組み立てる点にある。平均支配率54.8%はJ1で6位、パス総数4099本は5位。田中駿汰は487本のパスを出し、成功率85.4%を記録している。
相手を動かすうえでは、横山夢樹の仕掛けも重要だ。チーム最多のドリブル41回を試み、成功率は68.3%。パス交換に個人の突破を織り交ぜ、鹿児島の守備陣に対応の変更を迫りたい。U-21日本代表の一員としてアジア競技大会を戦ったばかりなのが懸念点だが、ピッチに立てばドリブラーとして違いを作れるはずだ。
課題は、保持を得点に変える部分だ。セレッソはシュート98本に対して7得点、決定率7.1%はJ1・17位。鹿児島の守備を前に外側でパスを回す時間が増えれば、相手にとって狙い通りの展開にもなり得る。クロスを送る際も、単に本数を増やすだけでなく、守備者の位置を動かしてから届けたい。
守備にも注意点がある。パブロ・マチン監督のチームでは【3-4-2-1】が採用されているが、ウイングバックの位置が高い。
先制点を奪われて前がかりになるとさらに高くなり、その位置の選手が味方のボールを受けに戻るのに時間がかかる場面が散見される。後方からのビルドアップに出口が少なく、前線からプレスをはめられてピンチに陥るシーンには再現性も見られる。
鹿児島の守備と回収という特長を考えると、噛み合えば2カテゴリーの差を覆す番狂わせにつながる可能性がある。セレッソがボールを持つ時間を決定機へ変えるのか。鹿児島がそれを封じ、少ない手数でゴールへ迫るのか。新潟戦に続く“ジャイアントキリング”の行方は、その攻防にかかっている。
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