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初招集直後に大怪我…約1年3か月ぶりに代表復帰した熊坂光希は日本代表に何をもたらす? 森保監督が評価した「起点」と「潰す力」

text by 編集部 photo by Getty Images

柏レイソルの熊坂光希
柏レイソルの熊坂光希【写真:Getty Images】



 熊坂光希は昨年、日本代表に初招集されたものの、代表活動中に右膝前十字靱帯を断裂。A代表デビューを果たすことなく長期離脱を余儀なくされた。それから約1年。復帰後は柏レイソルの中盤で再び存在感を高め、日本代表に戻ってきた。熊坂は現在の森保ジャパンに何をもたらすことができるのか。



森保監督が評価した「起点」と「潰す力」

 昨年、初めてA代表に選出されながら、その活動中に大怪我を負った熊坂。右肩上がりだったキャリアは突然止まり、日の丸を背負ってピッチに立つこともできなかった。

 それでも長いリハビリを経て復帰すると、今季は柏の中盤で再び存在感を高めている。その姿は、森保一監督も実際に確認していた。

 8月14日の東京ヴェルディ対柏を現地で視察した指揮官は、熊坂についてこう評価している。

「今日も攻撃では本当に起点になって、守備では相手を潰して、さらに圧力のある攻撃につなげるというプレーがありました」

 今回のメンバー発表会見でも、「チームを勝たせる、チームをいい流れに乗せるというところで、中盤のポジションから存在感を放ってプレーできている」と評価した。

 熊坂の特徴は、単純なボールハンターではないことにある。

 185cmのサイズを生かした球際の強さがあり、中盤で相手の前進を食い止めることができる。それだけではなく、奪った後にボールを失わず、次の攻撃へつなげられる。長短のパスで起点となり、スペースがあれば自ら運ぶことも可能だ。

 柏でダブルボランチを組む中川敦瑛も、「身長もあって、球際も強くて。パスもできるし、運べるし、本当にすごい選手」と、その総合力を高く評価している。

 そうしたプレースタイルは、かつてスペイン代表やバルセロナで活躍したセルヒオ・ブスケツや、現スペイン代表のロドリを想起させる部分もある。もちろん実績や完成度を比較するものではない。中盤の底で相手の攻撃を止めながら、ボールを失わずに次の攻撃へつなぎ、ときには自ら前進する。守備を担いながら、攻撃のスタート地点にもなれるという点では共通する部分がある。



「いい守備からいい攻撃」と重なる熊坂の特徴

 興味深いのは、熊坂を視察した東京V戦後、森保監督が「いい守備からいい攻撃」について語っていたことだ。

 それは単純にボールを奪い、そのままカウンターを仕掛けることだけを意味するものではない。局面のボール争いでボールを奪う。そこから素早く攻撃することもできれば、状況によってはボールを保持して遅攻へ移ることもできる。守備と、その後の攻撃を切り離さないという考え方だ。

 これは熊坂が柏で担っている役割とも重なる。

 本人も日本代表への復帰について「まずはチームが勝つことが一番」とした上で、昨年以上のものを出すためにゴールやアシストといった「数字」も意識したいと語っていた。

 守備で相手を止めるだけではなく、その先の攻撃にも関与する。森保監督が評価した「起点」と「潰す力」は、まさに熊坂の両面性を表している。

 奪い、つなぎ、チームを前へ進める。今後、ロドリのような、味方に時間をつくるゲームメイクやポジショニングがさらに向上すれば、日本代表に定着する可能性もあるかもしれない。

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