UEFA(欧州サッカー連盟)が、プレミアリーグのクラブによる巨額の移籍金支出が欧州の移籍市場に与える影響について懸念を示している。イギリスメディア『BBC』が現地時間24日に報じている。
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プレミアリーグの巨額投資は二極化を生む
UEFAが発表した最新の欧州クラブの人材や競争環境に関する報告書によると、今夏にプレミアリーグのクラブが移籍市場で費やした金額は推定46億ユーロ(約4兆円)に達した。これは、欧州でそれに次ぐ8か国の合計額を上回るという。
UEFAの財務担当エグゼクティブディレクターを務めるアンドレア・トラヴェルソ氏は、こうした傾向について「懸念を引き起こしている」と指摘。「移籍金は、特にイングランド市場で急激に上昇し続けており、今後のクラブの財務状況にさらなる圧力をかけている」と記した。
さらに「これらの動きは、才能の集中が進み、市場の二極化が進んでいることを示している。明確な二極化したシステムが生まれている」と説明した。
報告書によると、欧州の移籍市場で成立した取引の60%以上にイングランドのクラブが関与。プレミアリーグのクラブが獲得した選手1人あたりの平均移籍金は約2400万ユーロ(約41億円)だった一方、その他の主要欧州リーグでは400万~500万ユーロ(約7億~9億円)程度にとどまったという。
トラヴェルソ氏は、移籍金の「調整」や買い手側の需要減速が起きた場合、負債を抱えるクラブに深刻な影響を及ぼす可能性があると指摘している。
また、今季プレミアリーグ20クラブが移籍市場で費やした金額は、年間収入の56%に相当するとUEFAは分析。新型コロナウイルス流行前の10年間の平均だった33%を大きく上回っている。
さらにUEFAは、イングランド国内のクラブ間で行われる高額移籍が増えていることにも注目。取引額は44%増加して15億5000万ユーロ(約2700億円)となり、イングランド国内の移籍市場だけで、それに続く5つの市場間取引を合わせた金額と同程度だった。
欧州では、5000万ユーロ(約87億円)を超える移籍も増加している。該当する取引は2024年夏の14件から2025年には23件、2026年には35件まで増加。このうち29件をプレミアリーグのクラブが占めた。
一方、財務規則への対応を迫られる中、各クラブはアカデミー出身選手の売却にも目を向けている。UEFAによると、欧州クラブは今夏、こうした選手の売却によって推定68億ユーロ(約1兆1800億円)の利益を生み出し、2025年から6億5500万ユーロ増加したという。
また、複数クラブを同一オーナーが保有するマルチクラブ・オーナーシップについては、選手を実際の市場価値から乖離した移籍金で動かしていることを示す証拠はほとんどなかったとUEFAは報告。こうしたクラブ間の移籍総額は1億5200万ユーロ(約264億円)で、推定市場価値は1億5900万ユーロ(約276億円)だった。
このうち半分以上を占めたのが、チェルシーとストラスブールの間で行われた移籍だった。
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