日本代表デビューを果たした中野就斗【写真:田中伸弥】
サッカー日本代表は28日、キリンチャレンジカップ2026でベネズエラ代表と対戦し、2-1で勝利した。右ウイングバックで先発した中野就斗にとっては、エディオンピースウイング広島で迎えた特別な代表デビュー戦となった。Jリーグで磨いてきた武器を示した一方、さらなる成長に向けて向き合うべき課題も見えた。
思い入れのあるスタジアムで代表デビューを果たす
右ウイングバックで先発出場した中野就斗。所属するサンフレッチェ広島のホームスタジアムでもあるエディオンピースウイング広島で代表デビューを飾り、爪痕を残した一方で、今後の課題も浮き彫りになった。
大学時代までセンターバックを主戦場としていた中野だが、プロ入り後、当時広島の指揮官を務めていたミヒャエル・スキッベ監督によってウイングバック(WB)へとコンバートされた。
J1通算114試合に出場する中で磨き上げてきた攻撃参加の強みは、この試合で確かに示したと言っていいだろう。
右シャドーで出場した佐藤龍之介とは息の合った連係を見せ、右サイドを活性化。中野が裏へ抜け出す場面があれば、佐藤が空いたスペースへ瞬時に走り込んだ瞬間を逃さずパスを供給するなど、攻撃センスを感じさせるプレーを随所に披露した。
その積極的な攻撃参加については、試合後に久保建英も言及。「積極的なオーバーラップもあって、僕はやりやすかったです」と振り返り、さらに「結構リスク管理とかもしっかりしてましたし、簡単に叩いてつなげたりとか、彼も(前線に)上がっていったりとかやりやすそうにしていたと思います」と中野のプレーを評価した。
また、31分にはペナルティエリア内でボールを受け、切り返して左足に持ち替える場面も。最終的には中央へのパスを選択したが、時にFW顔負けのシュートでゴールを決める中野だけに、左足を振り抜いても面白かっただろう。
一方で、後半立ち上がり早々に失点に絡んでしまったのは、この試合最大の心残りだろう。
集中力が求められる時間帯に簡単に股を抜かれ、突破を許してしまった。Jリーグではあまり見られない守備対応だっただけに、レベルが上がった相手に対して、どのように対応するかは今後経験を積みながら磨いていく必要がある。
もう一つ、前半終了間際のコーナーキックでも、相手との競り合いに敗れて危うく失点しかける場面があった。これも、日々世界レベルの選手と対峙する中でこそ身につけられる部分だろう。
ただ、こうした経験もすべて成長につながる。代表デビュー戦という緊張感のある舞台で、いきなり完璧なパフォーマンスを披露するのは簡単ではない。
中野にとっては、後半に主力組が一気に投入される中で、同じピッチに立てたことは大きな刺激になったはずだ。
さらに、後半には武器の一つであるロングスローも披露。雨の影響で普段ほど飛距離は出なかったが、これもこの先に控えるアジアカップでは、チームにとって一つの武器となる可能性がある。
渡辺剛や鈴木淳之介が負傷したことで、現在のチームはセンターバック陣が手薄な状況だ。今後のメンバー構成次第では、広島でもプレーしている3バックの右で起用されることも十分に考えられる。
攻撃面で示した武器に加え、世界基準の守備対応を身につけられるか。今回の代表デビューで得た経験を、残り2試合、そしてその先の代表活動でどう活かしていくのか。中野にとって、ここからがさらなるアピールの場となる。
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