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日本代表には追い風? アジア版ネーションズリーグ構想のメリットとデメリットとは。下位国には厳しい現実も

text by 編集部 photo by Getty Images

AFCアジアカップ2023決勝
AFCアジアカップ2023決勝の様子。AFCは今後、ネーションズリーグの成績をアジアカップやW杯の出場権に結びつける構想を進めている【写真:Getty Images】



 アジアサッカー連盟(AFC)が導入を計画する「AFCネーションズリーグ」の具体案が、海外メディア『The Asian Game』によって報じられた。代表戦のあり方を大きく変える可能性を秘めた新フォーマット。そのメリットとデメリットを考える。



日本代表にも、下位国にもメリット?

 アジアサッカー連盟(AFC)が導入を計画している「AFCネーションズリーグ」の具体的な構想が明らかになった。

 アジアサッカー専門メディア『The Asian Game』が5日、AFCが加盟協会に提示するブリーフィング資料を入手したとして報じている。AFCは6日、加盟協会に具体案を提示する予定だという。

 報道によれば、アジアの代表チームを3つのTierに分け、Tier 1と2は各18チーム、Tier 3は残る11チームで構成。2年ごとに昇降格を行う。

 2032/33シーズンにはワールドカップ予選を兼ね、Tier 1の18チームが12試合を戦う。上位6チームが本大会に直接出場し、7~10位の4チームは残る2枠を争うプレーオフへ。さらに、その3位は大陸間プレーオフに回る構想となっている。

 今後4年間を移行期間とし、2030/31シーズンから本格運用。将来的にはネーションズリーグの成績がAFCアジアカップやFIFAワールドカップの出場権にも直結する構想だ。

 日本代表にとって、メリットは小さくない。実力に応じてTierが分けられるため、力の差が大きすぎる相手との公式戦は減り、韓国やイラン、オーストラリア、サウジアラビアなど、アジア上位勢との真剣勝負が増えることになる。

 直近の2026年W杯アジア2次予選では、日本はミャンマーとシリアにそれぞれ2試合とも5-0で勝利し、2022年の予選では、モンゴルに14-0、ミャンマーに10-0と大差で勝利していた。

 ワールドカップを見据えれば、こういった実力差のある下位国と戦うよりも、アジアの中でも比較的強度の高い相手と、勝ち点が懸かった公式戦を定期的に経験できる意義は大きいだろう。

 また、日本のようなアジア上位国にとっては、一つの試合の結果が大きく響くこれまでの形式よりも、長いリーグ戦を通して、より実力を反映させやすい制度になる可能性がある。

 今までよりも多少の取りこぼしが許容されるのであれば、若手の抜擢や新たなシステムへの挑戦、世代交代を進めながら結果を求めることも可能になる。親善試合だけでなく、公式戦そのものを使いながらワールドカップへ向けて長期的にチームを作っていく、という考え方もできるだろう。

 一方、明確なデメリットもある。『The Asian Game』は、日本やオーストラリア、イラン、韓国などの強豪国にとって、アジア以外の国と定期的に対戦することの重要性を指摘している。


 親善試合の日程そのものは残される見込みだが、ネーションズリーグが代表活動の中心になれば、その分だけ南米や欧州の強豪と戦える機会は限られる可能性がある。

 W杯でのベスト8を目指す日本にとっては、アジア内で強度の高い公式戦を戦いながら、他大陸の強豪との対戦経験を確保すること。その両立が、新制度における大きな課題になりそうだ。

 そして、日本のような上位国とは異なる問題を抱えるのが、下位Tierに入る国々だ。

 同メディアは、Tier 3にはアジアカップやW杯へ直接つながるルートがないと指摘。「サッカーの公平な競争機会を重視する立場からすれば、受け入れづらい制度だ」と厳しい言葉を記した。

 制度上は、ある国が4年間の公式戦ですべて勝利したとしても、その間に行われるW杯にもアジアカップにも出場できないケースが生じ得る。下位Tierでどれだけ好成績を残しても、まず得られるのは上位Tierへの昇格。4年間のサイクルの中で大舞台に挑戦することはできない。

 ただし、これだけで「下位国切り捨て」と結論づけるのも早いだろう。この制度によって、W杯予選敗退後、次の公式戦まで長い期間が空きがちな下位国の試合数は大幅に増え、実力の近い相手との公式戦を定期的に戦えるようになる。

 一度の予選で格上相手への番狂わせを起こす可能性は小さくなるが、試合数が増え、同じレベルの相手との試合を重ねられるようになることで、将来のW杯出場という目標に向かって長期的な成長を見据えた強化ができるようになるのではないか。

『The Asian Game』も、長期的な発展を中心とした制度なら「価値のあるトレードオフ」になる可能性を指摘する。AFCが目指すのは、アジアの代表戦の価値観そのものを変える改革なのかもしれない。

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