イングランドのサッカー界で、多くのクラブが深刻な財政難に直面していることが明らかになった。独立したサッカー規制機関であるインディペンデント・フットボール・レギュレーター(IFR)が公表した報告書で、クラブの財政状況に警鐘を鳴らしている。イギリスメディア『BBC』が、13日に伝えている。
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イングランドのサッカー界の厳しい現状
IFRが発表した報告書『State of the Game』によると、2025/26シーズンにイングランドの上位5リーグに所属するクラブの94%が赤字を計上。また、EFL(イングリッシュ・フットボールリーグ)とナショナルリーグのクラブの60%以上は、負債が資産の帳簿価額を上回る債務超過の状態にあるという。
さらに、クラブの66%はオーナーからの追加資金がなければ90日以上の運営を継続できず、29%は30日以上の運営も難しいと回答。オーナーが資金提供を打ち切った場合に備えた計画を持たないクラブも68%に上った。
IFRのデイビッド・コーガン会長は『BBC』の取材に対し、「17クラブは、選手が無給でプレーしたとしても、選手以外にかかる費用によって破綻するような経営をしている」と説明。さらに、「32クラブはわずか30日分の資金で運営している。オーナーが月末に資金を提供しないと決めれば、これらのクラブは破綻する」と危機感を示した。
報告書では、移籍金の支払いをめぐる問題も指摘されている。2025/26シーズン、イングランドのクラブが抱える移籍金の支払債務は約48億ポンド(約8,880億円)に達した一方、受取債権は約15億ポンド(約2,775億円)にとどまり、差し引き約33億ポンド(約6,105億円)の債務超過となった。また、将来受け取る移籍金を担保に資金を調達する「移籍金ファイナンス」も拡大。2020-21シーズンに5500万ポンド(約101億7,500万円)だった同資金調達額は、2024-25シーズンには7億7900万ポンド(約1,441億1,500万円)に増加している。
プレミアリーグと下部リーグの格差も深刻だ。2024-25シーズン、プレミアリーグのクラブの平均収入は3億4100万ポンド(約630億8,500万円)に達し、チャンピオンシップの平均収入である3890万ポンド(約71億9,650万円)の約8.7倍となった。さらに、プレミアリーグから降格したクラブに支払われるパラシュートペイメント(降格補償金)についても、チャンピオンシップ内の収入格差を広げ、クラブの過剰支出を促す要因になっていると指摘されている。
IFRは、財政リスクの軽減やクラブの経営管理体制の改善、ファンの意見を反映する仕組みの強化などを求めている。また、プレミアリーグとEFLによる新たな資金分配の合意が実現しない場合には、必要な権限を行使する可能性も示唆した。
コーガン会長は「問題が存在することは分かっていたが、データがこれほど深刻な実態を示すとは誰も思っていなかった」と述べている。莫大な放映権料や移籍金が動くイングランドのサッカー界だが、その一方で、多くのクラブが経営破綻の危険と隣り合わせにある実態が浮き彫りとなった。
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