
バロンドールを受賞したハリー・ケイン【写真:Getty Images】
バイエルン・ミュンヘンのイングランド代表FWハリー・ケインが、2026年のバロンドール初受賞後に自身の公式Xを更新した。「黙々と努力し、成功で語れ」。トロフィーの絵文字とともに、短いメッセージを投稿している。
バロンドール初受賞のケインがXに投稿した言葉
現地時間26日にロンドンで開催された授賞式では、キリアン・エムバペやラミン・ヤマルらを抑えて初受賞。イングランド人選手としては2001年のマイケル・オーウェン以来、25年ぶりの快挙となった。
ケインは2025/26シーズン、バイエルンとイングランド代表で計65試合に出場し、73得点を記録した。クラブではブンデスリーガとDFBポカールの2冠に貢献。イングランド代表でもFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)3位という結果を残した。
最終投票ではエムバペが2位、ヤマルが3位。世界最高の個人賞を争った3人だが、受賞前には候補者たちの発言にも注目が集まっていた。
バルセロナのヤマルは、バロンドールは単純に多くのゴールを決めた選手ではなく、世界最高の選手に贈られるべきものだと主張。「80得点を挙げたから」という理由だけで決まる賞ではないとの考えを示していた。
この発言は、圧倒的な得点数を武器に受賞を狙うケインを意識したものではないかと受け止められた。また、レアル・マドリードのエムバペも受賞への意欲を公にしており、候補者たちの自己アピールが話題になっていた。
こうした状況について、ケインは9月23日付の英紙『Evening Standard』のインタビューで自身の考えを明かしている。
「誰もが自分の望むやり方を選ぶ権利がある」
他の候補者たちの姿勢を否定することなく、そう語った。一方で、バロンドールはSNSの影響によって年々注目度が高まり、多くの議論や騒ぎが生まれるようになったとも指摘している。
「そのような形で自分自身を語るのは、私の性格ではない」
ケインは昨季の実績に自信を持っているとしながらも、自ら積極的にアピールするより、チームメイトや元選手らに評価される方が誇らしいと説明した。
ただ、受賞への意欲がなかったわけではない。自身も有力候補の一人だと認識しており、栄冠を手にできれば非常に誇らしいとも語っている。あくまで、アピールの仕方が異なっていただけだった。
授賞式当日には、思わぬ騒動も起きた。バロンドール公式サイトが、ケイン、エムバペ、ヤマルの3人をそれぞれ受賞者とする記事を誤って公開したのだ。主催者は、事前に準備していた記事が誤掲載されたもので、実際の投票結果を示すものではないと説明している。
そんな混乱もあったなか、最終的に栄冠を手にしたのはケインだった。受賞後にXへ投稿した言葉は、米国の歌手フランク・オーシャンの名言として紹介されることもある。ただし、本人の発言と裏付ける記録は確認されておらず、正確な出典は定かではない。
興味深いのは、今回の投稿に使われた「noise」という単語だ。ケインは9月のインタビューでも同じ言葉を使い、SNS上で過熱するバロンドールをめぐる議論や騒ぎについて語っていた。
当時は周囲の騒ぎを指していた言葉が、今回の投稿では、自らの成功によって生み出される声という意味で使われている。
もっとも、エムバペやヤマルへの直接的な言及はなく、特定の選手に向けたメッセージだったかどうかは明らかになっていない。
トッテナム時代から得点を量産しながら、長く主要タイトルに恵まれなかったケイン。バイエルン移籍後にチームとしての栄冠をつかみ、33歳でついに世界最高の個人賞を手にした。
多くを語るより、ピッチ上の結果で評価を得る。受賞後の短い投稿は、これまでケインが示してきた姿勢とも重なるものだった。