
ホッフェンハイムでプレーする町田浩樹【写真:Getty Images】
4日に発表された11月シリーズの日本代表メンバーに、DF町田浩樹(ホッフェンハイム)が約17か月ぶりに復帰した。大けがでFIFAワールドカップ 2026(北中米W杯)出場を逃した29歳は、今秋に実戦復帰。森保一監督も状態の向上を評価している。次期日本代表監督への就任が予定されている大岩剛氏も、町田にとっては鹿島アントラーズ時代の恩師だ。復活を遂げた町田が、新体制でも役割を担う可能性を探る。
W杯を逃した大けが。森保監督が認めた回復
町田が大けがを負ったのは、2025年8月23日だった。ブンデスリーガ開幕節のレバークーゼン戦で左膝前十字靱帯を断裂。長期離脱を余儀なくされ、北中米W杯の舞台には立てなかった。
負傷当時、ホッフェンハイムのアンドレアス・シッカーSDは、加入から短期間でチームに溶け込み、守備陣で重要な役割を担っていた町田の離脱を惜しんでいた。
それから約1年。今年9月12日のシュトゥットガルト戦でトップチームの公式戦に復帰すると、10月15日のUEFAヨーロッパリーグ(EL)ベシクタシュ戦ではヘディングで得点。25日のレバークーゼン戦では先発フル出場し、3-0の無失点勝利に貢献した。
その後も先発出場を続け、10月31日のブレーメン戦ではチームが0-2で敗れたものの、90分間プレーしている。
4日の日本代表メンバー発表会見で、森保監督は直近の試合でも先発フル出場していることに触れ、負傷からの復帰後、「コンディションが確実に上がってきている」と評価。町田の代表復帰に踏み切った。
町田のキャリアを振り返ると、大岩監督との接点は大きい。鹿島の育成組織から2016年にトップ昇格した町田は、2017年途中から2019年まで大岩監督の指導を受けた。
特に飛躍したのが2019年だ。前年のJ1出場は8試合、先発7試合、679分間にとどまっていたが、2019年は22試合に出場し、うち21試合で先発。出場時間も1899分と約2.8倍に増加した。Jリーグ公式のスタッツによれば、クリア総数80回は犬飼智也に次ぐチーム内2位、ブロック総数49回は同4位を記録した。
当時の守備陣の中心だった犬飼は29試合に出場し、クリア107回、ブロック58回。町田の出場時間は犬飼より711分少なかったが、90分当たりの両数値ではわずかに上回っていた。若手ながら主力DFと遜色ない頻度で守備に関与していたことがうかがえる。
新体制でも生きる戦術的な柔軟性
もっとも、出場機会が増えた背景には、チームの苦しい台所事情もあった。当時の鹿島では守備陣に負傷者が相次ぎ、町田は本職のセンターバックだけでなく、左サイドバックとしても起用された。データサイト『Transfermarkt』によれば、J1での先発21試合のうち、15試合がセンターバック、6試合が左サイドバックだった。
主力の離脱をきっかけに得たチャンスを、確かな出場実績につなげた2019年。大岩監督のもとで存在感を高めたシーズンだった。
その後、ベルギーのユニオン・サンジロワーズを経て、ドイツへとステップアップ。森保体制の日本代表では、左利きの大型センターバックとして3バックの左を担ってきた。一方、ホッフェンハイムでは4バックの左センターバックとしてもプレーしている。
JFAは7月、森保監督がアジアカップまで指揮を執り、その後は大岩監督が後任に就くことを正式に決定した。しかし、同大会の開催延期を受け、監督交代の時期は不透明になっている。
恩師の下で再びプレーする機会がいつ訪れるのか、現時点ではわからない。また、かつて指導を受けた経験が、新体制での立場を保証するわけでもない。
それでも、大岩監督の下でセンターバックと左サイドバックを経験し、欧州でさらに成長を重ねてきた町田には、複数の守備システムに対応できる強みがある。同監督が現在基本システムとして採用しているのが【4-3-3】だということを考慮しても、その対応力がカギになる可能性はある。
W杯出場を阻んだ大けがを乗り越え、約17か月ぶりに日本代表へ帰ってきた町田。森保体制での復帰は、恩師との再会も見据えた新たな挑戦の第一歩になるだろうか。
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