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2015/16シーズンにプレミアリーグを制したレスター・シティ。それから数年間は上位争いの常連となっていたが、近年は暗黒期とも言えるシーズンを過ごしている。昇格1年目だった今季は、1ヵ月以上を残して2部降格となってしまった。なぜ、栄光の時期から大きく衰退してしまったのだろうか。(文:安洋一郎)
レスター・シティが不名誉な記録を残して2部降格

【写真:Getty Images】
いつ、どこで歯車が狂い始めてしまったのだろうか。
レスター・シティは2015/16シーズンの“ミラクル”と呼ばれたプレミアリーグ優勝を皮切りに、強豪チームの一つになろうとしていた。
ブレンダン・ロジャーズ体制では、2019/20シーズンから2季続けてUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得を巡って熾烈な4位争い(2季連続5位)を繰り広げ、2020/21シーズンにはクラブ史上初となるFAカップ優勝を経験。その歩みは、順風満帆であるように見えた。
しかし、彼らの良い時期は長く続かなかった。優勝したシーズン以降は残留争いと無縁だった中で、2022/23シーズンを18位でフィニッシュ。チャンピオンシップ(イングランド2部相当)への降格が決定した。
結果的に1年でプレミアリーグ復帰を果たしたが、昇格初年度の今季はクラブ史上最悪と言っても過言ではないシーズンを過ごしている。その試合内容は、残留に向けて足掻くものではない。
現在も続く「ホームでの連続無得点記録(9試合)」や第24節から第31節にかけての「無得点での8連敗」など、あらゆる不名誉な記録を更新。その結果、4月20日にリーグ戦を1ヶ月以上残す中で2部降格が決定した。
シーズン終盤には主軸のハリー・ウィンクスがルート・ファン・ニステルローイ監督との確執の末にチームから外され、クラブの英雄であるジェイミー・ヴァーディーの退団も決定。現在のチーム状況は「空中分解」に近い。
なぜ、数シーズン前まで“栄光”の時期を迎えていたレスターは、希望を見出すことすら難しいクラブになってしまったのだろうか。