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現地時間5日、トレント・アレクサンダー=アーノルドがユース時代から数えて20年間を過ごしたリバプールを今季限りで退団することを発表した。彼の退団劇は現地のサポーターはもちろん、日本のファンの間でも物議を醸している。なぜ、1人の選手の決断が、ここまで世間を賑わせているのだろうか。(文:安洋一郎)
アレクサンダー=アーノルドがリバプールを退団

【写真:Getty Images】
現地時間5月11日に行われたアーセナルとのプレミアリーグ第36節にて、リバプールの本拠地アンフィールドは異様な空気に包まれた。
すでにプレミアリーグ優勝を決めていたことから基本的にはポジティブなムードだったが、ある選手の名前が呼ばれるとファンの反応が一変する。
その渦中の人物こそ、試合の1週間前に、今季限りで退団することを発表していたトレント・アレクサンダー=アーノルドだ。
ユース時代を含めるとリバプールで約20年間プレーし、トップチームでは公式戦通算350試合以上に出場。今季も含めて2度のプレミアリーグ優勝や2018/19シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝など、近年の躍進を支えた選手の一人だ。
そんな功労者に対しても現地のサポーターは容赦なかった。試合前にベンチスタートだった彼の名前が呼ばれた瞬間に大きなブーイングを浴びせる。67分にコナー・ブラッドリーに代わってピッチに入ると、非難するチャントやブーイングが巻き起こった。どんな試合展開でも味方選手への声援が止まないことで知られるアンフィールドにも関わらず、アウェイのような従来の試合とは異なる空気が流れた。
中には「TAA VERY MUCH YNWA」というバナーを掲げる方や感謝の拍手を贈るサポーターの姿もあったが、これまでのクラブの歴史を踏まえると、一部のファンが否定的な感情になるのは仕方がない部分もあるかもしれない。